2026年記事一覧
【マンションウォッチ】平均157万円の「決断」。価格急落が示す市場の消化不良と売主様の焦燥
こんにちは。
福山市の宅建マイスター、杉野です。
2026年3月度のデータは、これまでの「高値での膠着」が完全に崩れ、市場が激しい「調整局面」に突入したことを明確に示しています。
先月、私は市場が「深刻な消化不良」に陥っていると警告しましたが、今月はその滞留を解消するために、売主様たちがかつてない規模の「決断」を下した月となりました。

1.【全体サマリー】2026年3月の主要データ
今月のデータで特筆すべきは、下落の「幅」とその「エネルギー」です。
- 平均在庫日数:302.2日(前月 305.3日から微改善 📉)
- 70㎡換算平均価格:2,234万円(前月比 -98万円 📉)
- 70㎡換算中央価格:1,942万円(前月比 -100万円 📉)
- 値下げ単価(1物件あたり):157万円(過去1年で最大 🚀)
- 流通物件数:165件(前月と同数 ➡️)※過去2年間で最多のまま
- 新規件数:19件 / 掲載終了件数:19件(完全な均衡)
今月のハイライトは、「平均・中央価格が揃って100万円下落」したこと、そしてそれを引き起こした「平均157万円という大幅な値下げ」です。


2. 「1物件あたり157万円」の値下げが意味するもの
今月、価格改定を行った物件の平均値下げ額は「157万円」に達しました。
これは単なる端数調整ではありません。
これまでの「50万円、100万円刻みの値下げ」では買い手が反応しないことを悟った売主様たちが、一気に150万円以上の幅で価格を叩き、成約を勝ち取りに行った結果です。
この「157万円」という強烈な一打が、これまで上振れしていた中央価格を1,942万円という本来の実需水準まで一気に引き戻しました。

3. 「3ヶ月のタイムラグ理論」の結末と、均衡の正体
昨年末からの在庫増に対し、先月(2月)には価格改定率が15.8%まで急増しました。
私が唱えてきた「3ヶ月のタイムラグ理論」の通り、2月に始まった「売主様の焦燥」が、3月に「157万円という大幅な値下げ」を伴う価格リセットとなって現れました。
新規物件と掲載終了(成約等)が19件で同数となり、在庫の積み上がりは一旦止まりましたが、それはあくまで「150万円以上の値下げを断行した物件が、ようやく出口を見つけた」に過ぎません。
山のような在庫165件を解消するには、まだ入り口に立ったばかりと言えます。
4. 特定年代の決壊:築15〜20年層が主導する下落
年代別に見ると、この「157万円」という値下げ圧力がどこにかかっているかが鮮明になります。
- 築15〜20年未満:価格が前月比 -13.15%(約340万円)の暴落
これまで相場を無視して高値で粘っていたこの層が、今月一斉にパニック的とも言える「損切り」を行いました。
- 築10〜15年未満:価格改定率 35.7%
「3件に1件以上」が価格を見直しています。ライバル165件の中から選ばれるための値下げ合戦が、最も激しく行われているエリアです。
- 築5年未満:平均価格 4,813万円(+2.26%)
全体が沈む中で、築浅物件だけは独自の高値圏を維持。市場は完全に二極化しています。
5. まとめ:これからの戦略
2026年3月のデータは、福山のマンション市場において「小手先の対応」が通用しなくなったことを告げています。
- 売主様へ:今の市場平均である「157万円」という値下げ幅を直視してください。中途半端な値下げは、膨大な在庫の中に埋没し、在庫日数をさらに伸ばす(現在302日)結果を招きます。一撃で決める「インパクトのある価格設定」が不可欠です。
- 買主様へ:ようやく実需層にとって現実的な価格帯の物件が増え始めました。一気に100万円以上下がった今こそ、これまで手が出なかった物件の「中身」を精査するチャンスです。
市場の潮目が大きく変わった今、必要なのは期待ではなく「データに基づいた勇気」です。
福山市での不動産売買、そしてこの複雑な市況を勝ち抜くための戦略的なご相談は、ぜひ杉野伸不動産事務所までお寄せください。
【FMふくやま出演報告】2026年公示地価・上昇の舞台裏とお伝えしたかったこと
こんにちは。
福山市の宅建マイスターの杉野です。
本日、FMふくやま(77.7MHz)の朝の番組「あさまる」にゲスト出演させていただきました。
今回のテーマは、3月18日に発表されたばかりの「2026年(令和8年)公示地価」。
地元の皆様、そして不動産売却を検討されている皆様に重要なトピックを、データと現場の肌感覚を交えてお話ししてきました。
▼出演時の音声はこちらからお聴きいただけます。
放送でお話ししたポイント(まとめ)
今回の公示地価の動向については、先日のブログでも詳しく解説しておりますので、放送でお伝えした要点を簡潔にまとめました。
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福山市全体は「5年連続の上昇」を維持
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全用途平均:+2.4%(前年+2.3%)
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特に商業地:+4.5%(昨年に続き高い水準だが、勢いは「高原状態」へ)
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10年前との比較で見える「ワニの口」現象
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2016年を基準にすると、独走する「中心部の商業地」と、ようやく回復してきた「住宅地」で格差が拡大。
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エリア別の「違い」がより鮮明に
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中部・南部・西部:再開発やインフラ整備、強い実需により上昇基調。
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北部・郊外:緩やかな上昇で、比較的安定している状況。場所によっては下がっている地域も。
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宅建マイスターとして、今お伝えしたいこと
放送の最後でもお話ししましたが、公示地価はあくまで「過去の結果」です。
これからの市場は、金利動向や建築費の影響を受け、より選別が厳しくなるフェーズに入ります。
「上がっているから高く売れるはず」という一喜一憂ではなく、成約事例という「生の情報」に基づいた冷静な判断こそが、不動産取引における「最良の薬」となります。
ご自身の土地やマンションが今どのような位置にいるのか。正しい現状を知ることが、後悔しない売却の第一歩です。
不動産に関するご相談や査定のご依頼は、いつでもお気軽にお寄せください。
データに基づき、誠実に対応させていただきます。
2026年福山市公示地価・実需と再開発が牽引する上昇基調
こんにちは。
福山市の宅建マイスター、杉野です。
3月18日に国土交通省より2026年(令和8年)の全国公示地価が発表されました。
日本経済新聞の報道によると、今年の全用途の全国平均は前年比で2.8%上昇し、5年連続のプラスとなるとともに、伸び幅はバブル期以降で最大を記録しました。
企業の業績堅調を背景としたオフィス需要の高まりや、国内外からの投資マネーが過去最大規模で流入していることが、地価を大きく押し上げる要因となっています。
広島県全体を見ても、商業地が3.1%と高い伸びを示しています。
今回は、この全国的な上昇の波が福山市の不動産市場にどのような影響を与えているのか、データに的を絞って観察をしてみたいと思います。
前回記事『2025年福山市公示地価・上昇トレンド継続中』
福山市の対前年増減率
福山市全体の調査結果を用途別に一覧の表にまとめました。
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住宅地 |
商業地 |
工業地 |
合計 |
|
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調査地点 |
76 |
23 |
8 |
107 |
|
平均価格 (1㎡あたり) |
51,145円 (49,816円) |
147,678円 (140,283円) |
37,138円 (36,300円) |
70,848円 (68,425円) |
|
前年増減率 |
+1.8% (+1.6%) |
+4.5% (+4.5%) |
+2.3% (+2.3%) |
+2.4% (+2.3%) |
出典:(公社)広島県不動産鑑定士協会ホームページ『広島県の地価公示価格』より作成
福山市における2026年の公示地価の対前年増減率を見ると、住宅地が+1.8%、商業地が+4.5%、工業地が+2.3%、全用途平均で+2.4%となりました。
全用途平均は着実に上昇傾向を維持しており、特に商業地は昨年に引き続き4.5%という高い上昇率を記録しています。
福山駅周辺の再開発効果や、全国的な投資マネーの流入が福山市の中心部にも波及していることが読み取れます。
ただ、データを少し深読みすると、商業地の上昇率は2024年に+4.2%と大きく跳ね上がった後、昨年と今年は同率(+4.5%)で推移する「高原状態」に達していることが分かります。
価格自体は上がっているものの、これ以上の高値追いには市場が慎重になり始めており、上昇の勢い(加速度)には少しブレーキがかかり始めている兆しが見える点も、今年の注目ポイントです。

高騰する住宅地価格トップ10
住宅地に限定し、上昇率の高い上位10地点を一覧表にしました。
|
調査地点 |
価格 (1㎡あたり) |
前年上昇率 |
|
西町三丁目 |
144,000円 |
+6.7% |
|
光南町二丁目 |
144,000円 |
+6.7% |
|
瀬戸町大字山北 |
53,200円 |
+5.1% |
|
東川口町三丁目 |
81,800円 |
+4.9% |
|
野上町一丁目 |
111,000円 |
+4.7% |
|
三吉町南一丁目 |
96,000円 |
+4.6% |
|
北美台 |
55,000円 |
+4.4% |
|
新涯町四丁目 |
76,600円 |
+4.4% |
|
南松永町一丁目 |
64,000円 |
+4.4% |
|
新涯町一丁目 |
88,000円 |
+4.3% |
特に上昇率が高かった西町三丁目と光南町二丁目は、共に+6.7%という非常に高い上昇率を記録しました。
福山駅周辺の利便性の高さから、マンション用地や戸建て用地としての需要が極めて高く、地価を強く押し上げています。
また、注目すべき点として、中心部から少し離れた「瀬戸町大字山北」が+5.1%と昨年に引き続き高い水準で上昇しています。
福山道路などのインフラ整備への期待感に加え、子育て世代からの根強い需要が周辺地域における宅地開発を推し進める促進剤となり、地価を支えていると考えられます。
成約事例データから見る「現場の感覚」
公示地価と、我々が日々扱っている実際の成約価格(実勢価格)にはどのような関係があるのでしょうか。
今回は、特に住宅地として根強い人気を誇る「南部エリア」の最新取引データと照らし合わせてみます。
データを見ると、南部エリアにおける実需(実際に住むための需要)の強さが際立っています。
例えば、公示地価の上昇率トップ10にも名を連ねる「新涯町」エリアでは、直近の成約事例において坪単価17万円〜40万円台まで幅広い取引が確認でき、中には売り出しからわずか15日や40日程度でスピード成約に至るケースも見られます。
また、「沖野上町」や「多治米町」エリアでも、実勢価格で坪単価25万円〜35万円前後での成約がボリュームゾーンとなっており、非常に活発な市場であることが伺えます。
手前味噌にはなりますが、弊社でも昨年秋に「川口町一丁目」の売土地をご成約させていただきました。売り出しから約2ヶ月半(78日)というスムーズな成約となりました。
現場の肌感覚としても、これら南部エリア(沖野上町、多治米町、新涯町、川口町など)のように、平坦地で商業施設や学校へのアクセスが良い生活利便性の高い地域は、売りに出た物件に対する買い手の反応が非常に早いです。
実際の取引価格が公示地価と同等、あるいは条件によっては上回って成約するケースも珍しくありません。
投資マネーだけでなく、「福山で暮らしやすい場所に家を建てたい」という力強い実需が、南部エリアを中心とした福山市の地価をしっかりと底支えしていることが、実際の成約データからも裏付けられています。
まとめ
2026年の福山市公示地価は、全国的な地価上昇の波と連動しつつ、中心部の商業地と、住環境に優れた住宅地が牽引する形で力強い上昇を見せました。
しかし、上昇の伸び率が少しずつ鈍化し始めているデータが示す通り、長らく続いた右肩上がりの相場も、徐々に「ピークアウト(頭打ち)」に向けた転換期に差し掛かりつつあります。
売却を検討されている方にとっては今が絶好の機会であると同時に、これからは「相場以上の強気すぎる値付けは、長期間売れ残るリスクが高まる」というシビアな局面への移行期でもあります。
一方、購入を検討されている方にとっては「いかに適正価格で、条件に合う物件をスピーディに掴むか」がこれまで以上に重要になります。
今後の市場動向を注視しつつ、精緻なデータ分析に基づく慎重な計画と情報収集を行うことが、不動産売買を成功させるための最大の鍵となるでしょう。
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【マンションウォッチ】過去最長の「在庫305日」と市場の消化不良
こんにちは。
福山市の宅建マイスター、杉野です。
3月に入り、卒業や進学など新生活に向けた動きが活発になる時期ですが、福山の中古マンション市場は今、かつてない「目詰まり」の状態に直面しています。
今回のマンションウォッチでは、2026年2月度の最新データを分析しました。
先月お伝えした「3ヶ月のタイムラグ理論」による予測が的中し、停滞していた市場がついに動き出しましたが、その中身は非常にシビアなものとなっています。

1.【全体サマリー】2026年2月の主要データ
まずは、今月の主要な数値をご確認ください。
- 平均在庫日数:305日(前月比 +6日 📈)※過去2年間で最長
- 70㎡換算平均価格:2,332万円(前月比 -0.21% ほぼ横ばい)
- 70㎡換算中央価格:2,042万円(前月比 +0.05% ほぼ横ばい)
- 平均と中央の価格差:290万円(前月 296万円からさらに縮小)
- 価格改定率:15.8%(前月 10.1%から急上昇 🚀)
- 流通物件数:165件(前月比 +6件 📈)※過去2年間で最多
2月の市場を一言で表すと、「出口(成約)が塞がったまま、在庫が過去最高レベルまで膨れ上がり、売主様が一斉に値下げに動き出した」という、非常に緊迫感のある状況です。


2. 直近のトレンド:「300日の壁」を突破した滞留の深刻化
今月の最も深刻な動きは、平均在庫日数がついに305日を記録したことです。
これまで「300日の壁」は市場の停滞感を示す大きな節目でしたが、これを超えたことで「売り出しても10ヶ月は売れない」という状態が常態化しつつあります。
在庫件数も165件と過去2年間で最多を更新しており、市場が完全に「消化不良」を起こしています。
新規の売り出し物件が入ってくる一方で、買い手が見つかって市場から抜けていく「出口」が極めて細くなっていることが、この記録的な滞留を招いています。
3. 理論の的中:タイムラグを経て始まった「値下げラッシュ」
先月のブログで私は、「在庫増から値下げまでは3ヶ月のタイムラグがある。2月から3月にかけて価格改定の波が来る」と予測しました。
今回のデータは、まさにその予測を裏付ける結果となりました。
- 価格改定率:10.1%(1月) → 15.8%(2月)
全体の約16%、つまり「6件に1件」の物件が値下げを決断しています。
特に築30年〜35年前後の層では3割以上の物件が価格を改定しており、年度末(3月)までの成約を目指した「我慢比べの終了」が鮮明になっています。
平均価格が下がり、中央価格(実需層の限界点)との差が縮まってきているのは、高値で粘っていた売主様がようやく現実的な価格設定に歩み寄り始めた兆候と言えます。
4. まとめ:3月以降の戦略
データが示す現在の姿は、溢れる在庫の中から「選ばれるための競争」が本格化した状態です。
- 売主様へ: 在庫305日、競合165件という数字は、これまでの「待ち」の姿勢では埋没することを意味しています。周囲が値下げを始めた今、それ以上のインパクトを持つ「根拠ある価格戦略」が不可欠です。ライバルが動いている今こそ、先手必勝の判断が求められます。
- 買主様へ: 「市場の消化不良」により、ようやく価格交渉の余地がある物件や、戦略的に値下げされた物件が増えてきました。ただし、築浅物件など一部の優良物件は依然として高値で動いており、二極化が進んでいます。全体の停滞に惑わされず、個別の物件の「鮮度」と「価格の妥当性」を見極めるべき時期です。
市場が動かない時こそ、データという客観的な「羅針盤」が必要です。
福山市での不動産売買に関するご相談は、ぜひ杉野伸不動産事務所までお気軽にお寄せください。
【FMふくやま出演報告】「負動産ビジネスの注意点」についてお話ししました
こんにちは。
福山市の宅建マイスター、杉野です。
本日、FMふくやま(77.7MHz)の朝の番組「あさまる」内のコーナーにゲスト出演させていただきました。
今回のテーマは、近年社会問題にもなっている「負動産(ふどうさん)」ビジネスの注意点についてです。
▼実際の出演音声(2026年2月27日放送分)はこちらからお聴きいただけます。
「負動産」を狙う怪しい勧誘にご注意ください
「遠方の別荘地を相続したけれど、使い道がない」「管理費や固定資産税だけがかかり続けている」……。
そんな所有者の方々の悩みにつけ込む、詐欺まがいの商法が横行しています。
放送では、同業の社長から聞いた驚きの事例をご紹介しました。
それは、市場流動性の低い土地に対して「看板を立てて売り出しましょう」と言葉巧みに誘い、30万円もの高額な看板料を請求するという手口です。
ここがチェックポイント
- 報酬のタイミング: 通常、不動産会社の報酬は「成約時」に発生する成功報酬です。 売れる前から「看板料」や「広告費」として数十万円を請求するのは、一般的な取引では考えにくいケースです。
- 実態のないサービス: お金を払ったものの、実際には何もしてくれない、あるいは連絡が取れなくなるといったトラブルも報告されています。
- ネットの口コミを確認: 怪しいと感じたら、その会社名を検索してみてください。ひどい評判や被害の声が見つかることも少なくありません。
土地を手放すための「正攻法」もあります
「負動産」を処分する方法は、怪しい業者に頼ることだけではありません。
- 相続土地国庫帰属制度: 一定の要件を満たせば、土地を国に引き取ってもらえる制度が2023年4月から始まっています。
- 民間の有償引取サービス: 適正な費用を支払って土地を引き取ってもらう有償引取サービスも、新しい選択肢として広まっています。
もし、あなたの元に「土地を処分しませんか?」というダイレクトメール(DM)が届いても、その一社だけで決めないでください。
まずは、地元の信頼できる不動産会社や、複数の業者に相談してみることが、トラブルを防ぐ最大の防御策になります。
「これって普通なの?」という疑問を、セカンドオピニオンとして私たち専門家にぶつけてみてください。
不動産のことでお困りの際は、ぜひ「宅建マイスター」のいる株式会社杉野伸不動産事務所へお気軽にご相談ください。
【研修報告】重要土地等調査法と令和8年度税制改正について学んでまいりました(第2回法定研修会)
こんにちは。
福山市の宅建マイスター、杉野です。
昨日、(公社)広島県宅地建物取引業協会主催の「第2回法定研修会」に参加してまいりました。
不動産業界を取り巻く法律や環境は日々変化しており、私たち宅建業者も常に最新の知識をアップデートし続ける必要があります。
本日の研修で学んだポイントと、それがお客様の不動産取引にどう関わってくるのか、報告させていただきます。
研修会の主な内容
今回の研修では、以下の2つのテーマについて学びました。
①「重要土地等調査法の届出制度について」 (講師:内閣府 政策統括官付 参事官補佐 近藤航様)
②「令和8年度税制改正について」 (講師:税理士法人黒木会計 税理士 黒木寛峰様)
1. 重要土地等調査法の届出制度について
安全保障の観点から、防衛関係施設などの周辺(注視区域・特別注視区域)における土地等の利用状況を調査・規制する「重要土地等調査法」について学びました。
不動産取引において特に気を付けるべきポイントは、「特別注視区域」内において面積が200㎡以上の土地や建物の売買等を行う際、事前に国への届出が義務付けられている点です。
また、この事前届出は宅建業法上の「重要事項説明」の対象となります。
福山市内においても熊野町・水呑町・瀬戸町長和の一部地域が注視区域として指定されています。
注視区域の不動産取引は届出制度や重要事項説明義務の対象外ではありますが、当社としてはお客様の安心・安全な取引を促進する立場から、自主的に重要事項説明の対象として売主様及び買主様へ丁寧にご説明していく運用方針をとっております。
福山市注視区域図

※内閣府『注視区域図』を基に当社にて一部加工して作成
参考:内閣府ホームページ「重要土地等調査法」
2. 令和8年度税制改正のポイント
続いて、今後適用される税制改正について学びました。
ニュースでも話題になっている「年収の壁」への対応として、所得税の基礎控除等が引き上げられ、課税最低限が178万円になる見込みであることなど、生活に密着した解説がありました。
不動産に関わる大きな変更点としては、以下の点が挙げられます。
- 住宅ローン減税の変更:省エネ基準適合への要件厳格化が進む一方で、中古住宅を取得する場合の借入限度額の拡充などが予定されています。
- 貸付用不動産の評価見直し:過度な節税スキームへの対策として、相続等の直前に取得した貸付用不動産(区分所有や小口化された商品など)に対する評価方法が見直され、時価による評価とされるなど厳格化されます。
マイホームの購入や不動産投資をご検討中のお客様に対し、最新の税制を踏まえた適切なご案内ができるよう知識を再確認いたしました。
最後に
不動産取引は、専門的な法律や税制が複雑に絡み合っています。
当社では、こうした研修会を通じて常に最新の情報を習得し、「お客様の利益を守る」「安心・安全な取引を提供する」ために全力を尽くしております。
福山市での不動産売買、空き家の活用、相続に関するご相談などございましたら、お気軽にご相談ください。
【マンションウォッチ】低すぎる改定率と積み上がる在庫の正体
こんにちは。
福山市の宅建マイスター、杉野です。
2月に入り、暦の上では春を迎えましたが、福山の不動産市場は依然として「厳しい寒波」の中にいるような膠着状態が続いています。
今回のマンションウォッチでは、2026年1月度の最新データを分析しました。
過去最高水準に迫る在庫を抱えながら、なぜ価格改定(値下げ)が進まないのか。その裏側に隠れた「タイムラグ」の正体に迫ります。

1.【全体サマリー】2026年1月の主要データ
まずは、今月の主要な数値をご確認ください。
- 平均在庫日数: 299日(前月比 -1日)
- 70㎡換算平均価格: 2,337万円(前月比 +1.27% 📈)
- 70㎡換算中央価格: 2,041万円(前月比 +3.12% 📈)
- 平均と中央の価格差: 296万円(前月 329万円から縮小)
- 価格改定率: 10.1%(前月 12.7%から低下 📉)
- 流通物件数: 159件(前月比 +1件 📈) ※過去2年間で2番目の高水準
- 新規掲載件数: 15件
- 掲載終了件数: 17件
一言で表すと、「在庫は溢れているが、売り手は価格を下げずに粘り強く様子を見ている」という、極めて膠着したスタートとなりました。


2.直近のトレンド:際立つ「価格改定」の減少
今月の最も注目すべき動きは、価格改定率が10.1%まで低下したことです。
これは昨年同月の21.5%と比較して半分以下の水準であり、過去1年間の平均的な推移(14〜15%)と比べても極めて低い数値です。
通常、在庫が159件という過去最多水準(最高は162件)に達すれば、価格競争による値下げが活発化するのが市場の原理です。
しかし、現状は「在庫は増えているのに、価格改定は減る」という、データ上の逆相関が起きています。
3.在庫と価格改定に潜む「3ヶ月のタイムラグ」
なぜこれほど在庫があるのに、価格が下がらないのでしょうか。
当事務所で過去2年間のデータを詳細に分析したところ、市場特有の「タイムラグ」が見えてきました。
「在庫増」から「値下げ」までは3ヶ月かかる
統計データによると、在庫件数が増加してから価格改定率が上昇するまでには、約3ヶ月の遅れがあることが分かりました。
- 在庫増加直後(0〜1ヶ月): 売主様は「まだ売出したばかり」「この価格で反応を見たい」という心理が強く働き、値下げを控える傾向があります(現在の10.1%という低改定率はまさにこの状態です)。
- 在庫増加から3ヶ月目: 案内数や引き合いの少なさを実感し始め、ようやく「価格改定」という次のステップに踏み切る売主様が増え始めます。
現在の在庫159件というピークは、昨年末からの積み上がりが要因です。
タイムラグ分析を当てはめると、2026年2月から3月にかけて、溜まっていた在庫に対する「価格改定の波」が一気に訪れる可能性が極めて高いと予測されます。
4.まとめ:2月以降の戦略
データが示す現在の姿は、嵐の前の静けさのような「我慢比べ」の状態です。
- 売主様へ: 統計上、周囲が「我慢」している今はライバル物件の価格も高止まりしています。しかし、3ヶ月のタイムラグを経て、春先には一斉に値下げ競争が始まるリスクがあります。競合が動き出す前の「今」こそ、戦略的な価格設定で先手を打つことが早期成約の鍵となります。
- 買主様へ: 現在は売り手の価格維持姿勢が強いですが、在庫日数(平均299日)という現実は無視できません。今後、タイムラグを経て価格調整が入る物件が増えてくるため、じっくりと比較検討しつつ、交渉のチャンスを見極めるべき時期と言えるでしょう。
膠着した市場だからこそ、データに基づいた「根拠のある売却戦略」が重要です。
福山市での不動産売買に関するご相談は、ぜひ杉野伸不動産事務所までお気軽にお寄せください。
【FMふくやま出演報告】1月30日放送「家賃の値上げ、どう向き合う?宅建マイスターが教える冷静な対処法
こんにちは。
福山市の宅建マイスター、杉野です。
昨日、2026年最初となるFMふくやまの「あさまる」にゲスト出演させていただきました。
今回のテーマは、最近全国的に、そしてここ広島でも身近な話題となっている「家賃の値上げ」についてです。
▼実際の出演音声(2026年1月30日放送分)はこちらからお聴きいただけます。
今回の放送でお話ししたポイント
1. きっかけは「WEBサイトとの賃料のズレ」
最近、賃貸物件を探されているお客様の相談に乗っていた際、WEBサイト上の情報と実際の募集賃料が異なっているケースに直面しました。
入退去のタイミングで賃料の改定(値上げ)が行われているのが主な原因です。今、私たちのすぐそばで家賃の「静かな上昇」が始まっています。
2. 全国的に急増する「家賃引き上げ」の相談
広島県内でも、消費生活センター等に寄せられる家賃値上げに関する相談は増加傾向にあります。
物価高騰や固定資産税の増額など、貸主側も厳しい状況に置かれている背景があります。
3. 東京と福山で異なる「値上げの理由」
同じ値上げでも、地域によってその性質は異なります。
-
東京都心部(需給バランス型): 需要が供給を大幅に上回り、価格が押し上げられる攻めの値上げ。
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福山市(コストアップ型): 維持管理費や固定資産税の高騰を反映した、建物を守り続けるための「やむを得ない値上げ」としての側面が強いのが特徴です。
4. 値上げを打診されたらどうすればいい?
「家主さんから言われたら拒めない」と思われがちですが、実際には冷静な対処が可能です。
-
まずは「根拠」を尋ねる: 感情的に断るのではなく、なぜ値上げが必要なのか、その具体的な理由(固定資産税の上昇、周辺相場の変化など)を確認することが第一歩です。
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妥協点を見つける姿勢: 貸主と借主はパートナーです。お互いの状況を理解し、「これくらいの増額なら納得できる」「その代わり、ここを修繕してほしい」といった、前向きな協議を目指しましょう。
最後に:住まいの安心をプロがサポートします
家賃は生活の基盤となる大切な固定費です。もし急な値上げの通知に戸惑われたり、判断に迷われたりした際は、一人で悩まずにぜひ私たち不動産のプロにご相談ください。
2026年も、当社は福山の皆さんの「安心できる住まい」を全力でサポートしてまいります。
【マンションウォッチ】2024-2025年徹底比較:「価格上昇」から「滞留」へ。福山市中古マンション市場の転換点
こんにちは。
福山市の宅建マイスター、杉野です。
早いもので、2026年が明けてから最初の1ヶ月があっという間に過ぎようとしています。
暦の上では大寒を過ぎ、まだまだ寒い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回の「マンションウォッチ」は、2025年12月度の最新データ(2026年1月5日時点)の分析に加え、2024年から2025年にかけての「2年間の市場推移」にスポットを当てて解説します。
単月の動きだけでは見えない大きな潮流の変化が、この2年間で明確に表れています。

1.【全体サマリー】2025年12月の主要データ
まずは、直近となる今月の主要な数値をご確認ください。
- 平均在庫日数: 300日(前月比 +12日 📈) ※ついに300日台へ・過去最長を更新
- 70㎡換算平均価格: 2,308万円(前月比 -0.04% 📉)
- 70㎡換算中央価格: 1,979万円(前月比 +2.91% 📈)
- 平均と中央の価格差: 329万円(前月から縮小)
- 価格改定率: 12.7%(前月 13.2%から 微減)
- 流通物件数: 158件(前月比 +7件 📈)
- 新規掲載件数: 20件
- 掲載終了件数: 15件
一言で表すと「在庫が積み上がり、売れるまでの期間が過去最長レベル(300日)に達した」月となりました。


2.【2年間の軌跡】2024年 vs 2025年 通年比較分析
ここからは、2024年と2025年のデータを並べて比較してみましょう。
この2年間で、福山の中古マンション市場は「価格上昇フェーズ」から「調整・停滞フェーズ」へと完全にシフトしました。
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価格トレンド:急騰した2024年、天井を打った2025年
70㎡換算価格(平均)の推移を見ると、その差は歴然です。
- 2024年:1,832万円(1月)→ 2,300万円(12月)
- 1年間で約470万円もの大幅な価格上昇がありました。
- 2025年:2,321万円(1月)→ 2,308万円(12月)
- 年初をピークに価格は伸び悩み、年間を通してほぼ横ばい・微減で推移しました。
2024年は強気の価格設定でも市場が受け入れていましたが、2025年に入り、その価格上昇に対して需要(買い手)がついてこられなくなった様子が見て取れます。
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在庫日数:2年間で「3ヶ月」も長期化
「売り出してから市場からなくなるまでの期間」を示す在庫日数は、一貫して長期化しています。
- 2024年1月:207日
- 2025年12月:300日
この2年間で約93日(約3ヶ月)も期間が延びました。
2年前は「半年ちょっと」で動いていた感覚が、今では「10ヶ月待つのが当たり前」という市場環境に変化しています。
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在庫件数:2025年後半からの急増
- 2024年:年末にかけて在庫が減少(134件)し、品薄感がありました。
- 2025年:特に後半にかけて在庫が急増し、年末には158件まで積み上がりました。
現在は選択肢が豊富な「買い手市場」となっており、競合物件が多い中で選ばれる難易度が上がっています。

3.【深掘り】「中央価格」に見る市場の粘り強さ
平均価格だけでなく、「中央価格(価格順に並べた際のちょうど真ん中の価格)」の動きにも注目してみましょう。ここに市場のリアルな体温が隠れています。
サマリーでも触れましたが、12月のデータでは興味深い現象が起きました。
- 70㎡換算 平均価格:2,308万円(前月比 -0.04%)
- 70㎡換算 中央価格:1,979万円(前月比 +2.91%)
平均価格は横ばいなのに、中央値は約56万円上昇しています。
これにより、平均価格と中央価格の差(ギャップ)が前月の386万円から329万円へと縮小しました。
これが意味すること
在庫期間が300日を超えて長期化しているにもかかわらず、中央価格(市場のボリュームゾーン)が下がっていません。
これは、「安易な値下げ売りは行われておらず、売り手側が価格を維持している」ことを示唆しています。
「売れないからすぐに値下げ」というパニック売りは起きておらず、市場全体としては価格面での粘り強さ(底堅さ)を保っていると言えます。
4.まとめ|2026年の戦略
データが示す事実は明確です。 2024年の「待っていれば高く売れたボーナスタイム」は終了しました。
在庫が158件、日数が300日という「重たい」状態でスタートした2026年は、以下の視点が重要になります。
- 売主様へ: ライバル物件が多い中で、漫然と売りに出していても300日(10ヶ月)以上残ってしまうリスクがあります。「適正価格の設定」と「物件の差別化」が、早期売却の鍵を握ります。
- 買主様へ: 在庫が豊富で、じっくり比較検討できるチャンスです。中央価格のデータが示す通り、極端な相場崩れは起きていませんが、販売期間が長い物件については価格交渉の余地があるかもしれません。
当社では、この「300日時代」における最適な売却戦略・購入戦略をご提案いたします。
市況の変化に合わせた動き方が気になる方は、ぜひ杉野伸不動産事務所までご相談ください。
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