【FMふくやま出演報告】相続登記のうっかり忘れに注意!私道(共有持分)の登記漏れを防ぐには?

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

本日、FMふくやま(77.7MHz)の朝の番組「あさまる」にゲスト出演させていただきました。

今回は、最近実際に私どものところへご相談があった「相続登記のうっかり忘れ(特に私道の持分)」をテーマにお話しした内容を、ブログでも詳しくご紹介します。

▼出演時の音声はこちらからお聴きいただけます。

目の前の「私道」が亡くなった親の名義のままに…

先日、ご相続された土地を売却したいというお客様からご相談をいただきました。

さっそく現地や登記の内容を調査したところ、土地の目の前にある「私道」の相続登記が漏れており、お亡くなりになった親御様の名義のまま残ってしまっていることが判明したのです。

実は、ご自身で相続登記の手続きをされた場合、こうした「私道部分の登記漏れ」という"うっかりミス"が時々起こります。

「土地の登記はちゃんと変えたから大丈夫」と思っていても、目の前の私道の登記を忘れてしまうと、いざ売却しようとしたときに大変なデメリットが生じてしまいます。

私道の登記が漏れていることによる主なリスク

  • 土地の評価額が下がってしまう

  • 買い手が住宅ローン(融資)を組めなくなる可能性がある(第三者の敷地を通行して土地に入らなければならない状態とみなされるため)

  • 結果的に、売りたくても売れない土地になってしまう(さらに相続が進むことで、相続登記そのものが困難になるケースも有ります)

今回は売却活動に入る前にこの事実が発覚したため、まずは私道部分の相続登記を完全に済ませ、ご自身が正しい所有者であることを証明してから売りに出すという形で、無事に解決へと進めることができました。

固定資産税の納税通知書には載らない?登記漏れを防ぐ「2つの制度」

なぜ、私道の相続登記をうっかり忘れてしまうのでしょうか?

その大きな理由は、「固定資産税の納税通知書」に載ってこない場合があるからです。

私道や共有地などで土地の評価額が低い場所は、非課税となり、毎年届く納税通知書の課税明細から除外されていることが多々あります。

そのため、ご自身で登記手続きをする際に「ここに自分の土地がある」ということ自体に気づかず、登記漏れが起きてしまうのです。

こうした「うっかり忘れ」を防ぎ、ご自身が所有している不動産を一元的に把握するためには、公的な制度を活用するのがおすすめです。

1. 名寄帳(なよせちょう)の確認

福山市などの各市区町村に申請することで、その所有者が持つ土地・建物を一覧化した「名寄帳」を取得できます。

  • 注意点:市区町村ごとの管理となるため、福山市で取得できるのは福山市内の不動産のみです。もし尾道市など隣接する別の市にも土地がある場合は、それぞれの役所で申請する必要があります。

2. 所有不動産記録証明制度(2026年2月スタートの新制度)

法務局に対して、特定の人が所有者として記録されている不動産の一覧を証明する書面の交付を請求できる制度です。

  • メリット:こちらは「全国版の名寄帳」とも言える制度で、名前や住所から全国の所有不動産を一元的に検索・リスト化することができます。福山市、尾道市、府中市などに不動産が点在していても、一つの窓口でまとめて把握できるため非常に便利です。

まとめ:不動産の相続登記は専門家への相談がお勧めです

不動産を「売りたい」「誰かに貸したい」となった段階で初めて登記漏れに気づくと、手続きに余計な時間や労力、そして精神的な負担がかかってしまいます。

せっかく自力で頑張って登記をしたのに、後から「失敗した…」と後悔するのはもったいないですよね。

大切な資産の出口戦略をスムーズに進めるためにも、まずは「固定資産税の通知書に載っていない不動産」がないかを、新制度なども活用して早い段階で確認し、時には司法書士や不動産会社といった専門家へ相談することをお勧めします。

「自分の持っている土地がどうなっているか分からない」「相続登記について専門家に相談したい」といったお困りごとや、不動産に関するお悩み・売却のご相談がございましたら、いつでもお気軽に株式会社杉野伸不動産事務所までお問い合わせください。

宅地建物取引業協会の定時総会に参加してまいりました

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

昨日、所属している宅地建物取引業協会の令和8年度定時総会へ参加してまいりました。

県内各地から多くの会員が集まり、昨年度の事業報告や今年度の事業計画について、慎重な審議が行われました。

総会の冒頭では、岡本会長より今年度の重点施策として、特に以下の2点に注力していくことが宣言されました。

  • リスキリング(学び直し)による専門性の向上
  • 地域社会における空き家対策の推進

いずれも、近年の空き家問題や相続問題の深刻化を背景に、安心・安全な不動産取引を円滑に進める上で、非常に重要なテーマとなっています。

今回の総会にあたり、私は「専門性の向上(リスキリング)に関する施策」と、「拠点運営の効率化・活性化に向けた取り組み」の2点について、質問をさせていただく機会をいただきました。

特に実務者のリスキリングに関しては、現在、国土交通省が推進している「不動産コンサルティングの普及・促進」に向け、当協会として「地域ワーキンググループ(地域WG)」への登録や、コンサルティング勉強会の実施などをどのように考えておられるか、という質問を投げかけました。

岡本会長は、(公財)不動産流通推進センターが国土交通省と連携して設置した 「良質な不動産コンサルティングの普及・定着に向けた検討委員会」の委員も務められているため、トップとしてのお考えを直接伺いたいと考えた次第です。

 

回答としては、「現状の組織体制や運用面を考慮すると、協会主導での即座の登録や組織化は容易ではない」という見解でした。

コンサルティングマスター技能試験が県内でも開催され、重点事業として専門性の向上が掲げられている一方で、登録者がノウハウを共有したりネットワークを構築したりする具体的な一歩としては、少し慎重な姿勢に留まった印象があり、その点は今後の進展に期待したいところです。

とはいえ、このように総会の場で直接発言をし、現場の実務者が直面している課題や声を理事の方々に届けられたことは、非常に貴重な経験となりました。

 

私たちは日々の実務を通じて、地域のお客様の暮らしを支えています。

今後もより良い不動産流通の普及と発展を目指し、現場での課題解決に努めながら、組織に対しても建設的な提案を続けてまいりたいと思います。

【セミナー参加レポート】「全国不動産コンサルティングフォーラム2026」から見る、空き家対策と不動産コンサルティングの未来

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

2026年5月15日(金)、昨年に続き第2回目となる「全国不動産コンサルティングフォーラム2026」が開催され、当社もオンラインにて参加いたしました。

本フォーラムは、国土交通省が推進する「不動産業による空き家対策推進プログラム」の一環として、公益財団法人不動産流通推進センター(不動産コンサルティング中央協議会)が主催するものです。

全国から集まったコンサルティングの優秀事例の表彰や実践報告、各地域のワーキンググループによる独自の取り組みなどが発表され、非常に実り多い時間となりました。

 

今回は、フォーラムを通じて感じた「これからの時代の不動産会社に求められる役割」と、お客様に深く関わる「新しい安心の仕組み」について、皆様にご紹介いたします。

1. 地域課題の解決に挑む「地域の不動産会社」の役割

フォーラムの基調講演や事例発表を通じて、何度も繰り返し強調されていたキーワードが、「不動産の専門家(地域の不動産会社)が核となり、地域課題の解決を牽引していく」という視点でした。

現在、全国で増加し続けている「放置空き家」や「所有者不明土地」といった問題は、ますます複雑化・高難度化しています。これらは、一個人や一つの事業主だけで解決できるものではなく、弁護士や税理士、建築士といった各専門家、そして地域社会との「緊密な連携」が欠かせません。

発表された先進事例の中には、行政とタッグを組んで「空き家になる前の対策セミナー」を地域で定期開催している報告もありました。

 

ちなみに当社におきましても過去、福山市と密に連携し、所在の分からない土地の管理者特定から境界の立ち会い、さらには将来を見据えた活用プランの策定までを一貫して手がけた実績がございます。

こうした実務を通じて、所有者不明土地や空き家問題という地域課題の解決に向け、その一端を担わせていただいた経験は、私共の大きな財産となっております。

 

地域の不動産会社が行政や他士業と深くつながり、信頼関係を築いていくことこそが、少しずつでも着実に、地域の不動産課題を根本から解決していく確かな一歩になると強く確信しております。

2. 「不透明」から「安心」へ。コンサルティング報酬と契約書の明確化

とりわけ、本フォーラムにおいて私が最も注目したのは、不動産コンサルティング業務における契約書および支援ツールの拡充についてです。

これまでの日本の不動産取引は、「売買や賃貸の仲介(媒介)」が主流でした。

そのため、不動産コンサルティング業務は「仲介業務との境界線」が消費者から見えにくく、「どこまでが無料相談で、どこから報酬が発生するのかが分かりにくい」「なんとなく敷居が高い、不透明だ」と感じられる一因になっていました。

 

この課題を打開するため、一昨年(令和6年)6月には国土交通省により通達が改正され、仲介手数料とは別に「コンサルティング報酬」を明確に受領できる仕組みが現場に実装され始めています。

さらに先月(2026年4月)には、同推進センターの検討委員会から「中間取りまとめ」が公表されました。

現在、現場で活用できる「標準的な契約書の雛型」や「具体的な報酬算定のガイドライン(目安)」、さらに実務マニュアルの作成・整備が具体的に進められています。

これにより、業務内容や費用がオープンでクリアになり、お客様がより一層安心してコンサルティングサービスを利用できる環境が整いつつあります。

3. 公認不動産コンサルティングマスターとして、お客様の信頼に応える

私自身、現在「公認不動産コンサルティングマスター」の登録作業を進めておりますが、実務において仲介業務とコンサルティング業務の区分や、お客様へのご説明の仕方に悩む場面があったのも事実です。

しかし、今回のように国や業界を挙げて明確な規定やガイドラインの策定が進むことは、私たち実務家にとっても非常に大きな追い風となります。

 

業務内容と費用を事前に分かりやすく明示し、お客様への「説明責任」をしっかり果たせるようになることは、お客様との強固な信頼関係の構築に直結します。

また、不動産コンサルタントという存在の正しい理解の醸成にもつながっていくと、大きな期待を寄せています。

おわりに

不動産は、大切な資産であると同時に、地域の未来を形作る重要な要素です。

当社も、空き家や空き地の流通・利活用を担う一事業者として、今回の学びを日々の実務にしっかりと還元し、これまで以上に「安全で健全、そしてお客様の未来に寄り添う不動産流通」に努めてまいります。

 

空き家や相続した土地の処分・活用方法にお悩みの方は、ぜひお気軽に当社までご相談ください。

誠心誠意、サポートさせていただきます。

【マンションウォッチ】過去最多の在庫174件 vs 過去最少の成約13件。

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

51日に集計を終えた、中古マンションの最新データ(20264月分)をまとめました。

これまでの「停滞」のレベルを超え、市場の構造そのものが危機に直面していることを示唆しています。

1. 【全体サマリー】20264月の主要データ

  • 平均在庫日数298.5➡️300日前後で高止まり)
  • 70㎡換算平均価格2,246万円➡️(ほぼ横ばい)
  • 70㎡換算中央価格1,953万円➡️(ほぼ横ばい)
  • 流通物件数(在庫)174📈 ※過去2年で最多を更新
  • 掲載終了件数(成約等)13📉 ※過去2年で最少を記録
  • 新規登録件数23📈(供給過多が継続)

 

2. 直近3ヶ月(1月〜3月)の動き:「価格リセット」の結末

4月のデータを読み解くために、まずは直近3ヶ月の激動を振り返ります。

  • 1月【様子見】: 在庫が積み上がる中、売主様は「新年に期待」し、価格を維持(改定率10.1%)。
  • 2月【限界点】: 在庫日数がついに305日となり、「300日の壁」を突破。焦った売主様による一斉の値下げラッシュが発生(改定率15.8%)。
  • 3月【リセット】: 2月の値下げが浸透。平均・中央価格ともに約100万円急落し、中央価格は1,942万円へ。「中古は2,000万円以下」という実需ラインへ強制リセットされました。

この流れを受け、4月は「価格が下がった分、成約件数が跳ね上がる」と予想されました。しかし、結果は真逆でした。

 

3. 春の異変:過去3年間の「3→4月」成約数比較

例年、3月の需要期を過ぎた4月は成約が落ち着くものですが、今年の落ち込みは「季節要因」では片付けられません。

  • 20243→4: 30 → 17件(季節的な減少)
  • 20253→4: 21 → 21件(需要が力強く持続)
  • 20263→4: 19 → 13件(前月比31%減・過去最低)

昨年(2025年)は4月になっても21件という高い成約数を維持していました。

しかし今年は、3月に平均157万円という大幅な値下げを行い、価格を実需ライン(2,000万円以下)に合わせたにもかかわらず、4月の成約はわずか13件。

これは、「価格を下げても出口(成約)が塞がっている」ことを示す危険なサインです。

 

4. 過去最多の在庫174 vs 過去最少の成約13件が意味するもの

現在、福山市の中古マンション市場は、かつてない規模の「二次的消化不良」を起こしています。

新規登録が23件あったのに対し、掲載終了(成約等)はわずか13件。

毎月、物件だけが「10件ずつ」市場に溜まっていく計算です。

その結果、在庫は過去2年間で最多の174に達しました。

 

在庫174 ÷ 成約13件 = 消化に「13.4ヶ月」

現在のペースでは、今市場にある物件をさばき切るだけで1年以上かかります。

買い手側は「100万円単位の値下げ」を目の当たりにしたことで、さらに「もっと下がるのではないか」とシビアな様子見に入っています。

5. 展望とまとめ:出口なき迷路で「選ばれる」ための戦略

客観的なデータを見る限り、この在庫の積み上げは今後も続く可能性が高いと言わざるを得ません。

「供給(新規登録)」のペースに対し、「出口(成約)」の細り方がそれを上回るスピードで進行しており、毎月10件近い「余剰物件」が生まれる構造が定着してしまっています。

今の低水準な成約が続けば、在庫件数は2026年末には200件という、未知の領域に達する懸念すらあります。

 

20264月のデータは、もはや単なる「価格調整」だけでは、この膨大な在庫の山を切り崩せないステージに入ったことを示しています。

売主様へ:

174件という過去最多の競合の中で、わずか13件という狭き門をくぐるには、価格の適正化はもちろん、「物件の個性(リノベーションや保証)」や、他社を圧倒する「強力な露出戦略」が不可欠です。

174分の1」に残るための、攻めの戦略への切り替えが求められています。

買主様へ:

過去最多の物件数から選べる、歴史的な「買い手市場」が続いています。

しかし、出口が塞がっている今だからこそ、単なる安さに惑わされず、将来にわたって資産価値を維持できる「本当に価値のある物件」を慎重に見極める目が必要になります。

市場が「消化不良」から「麻痺」に変わる前に、データに基づいた次の一手を打つ必要があります。

 

福山市の不動産売買に関する不安や戦略のご相談は、ぜひ私、杉野までお気軽にお寄せください。

ゴールデンウイーク休業のお知らせ

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

誠に勝手ながら、弊社では下記の期間をゴールデンウイーク休業とさせていただきます。

2026年5月2日(土)~5月6日(水)

休業期間中は、お問い合わせへのご返信、ご対応などが遅れる場合がございます。

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

■通常営業再開日

2026年5月7日(木)より、通常通り営業いたします。

 

■休業期間中のご連絡について

休業期間中にお問い合わせいただいた内容につきましては、5月7日(木)以降順次対応させていただきます。

ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。

不動産流通実務検定スコア・インタビュー掲載のお知らせ

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

先日、公益財団法人不動産流通推進センターが実施する「不動産流通実務検定スコア」において、受検者インタビューを受けさせていただきました。

この度、そのインタビュー動画と記事がセンターのWEBサイトに公開されましたので、ご報告させていただきます。

数ある名だたる企業様の中から、当社を選んでいただき大変光栄に感じております。

 

記事・動画はこちらからご覧いただけます

不動産流通実務検定”スコア” 受検者インタビュー

変容する不動産取引と「実務対応力」の重要性

インタビューの中でも触れましたが、不動産をめぐる取引の難易度は、年々高まりを見せています。

宅建業法をはじめとする関連法令の改正は毎年のように行われ、激甚化する災害への対応、増加する所有者不明土地・空き家問題、コンプライアンス意識の高まり、そして多様化する消費者ニーズなど、私たち実務家が直面する課題は複雑さを増すばかりです。

これまでは「現況有姿」や「契約不適合責任免責」といった一言で片付けられていた場面もありましたが、それでは問題を将来に先送りするだけであり、根本的な解決にはなりません。

今の時代に求められるのは、「問題の原因をいち早く察知し、それを解決可能な課題へと昇華させる実務能力」だと確信しています。

「スコア」を通じて自分の経験を拡張する

「スコア」は、同センターに寄せられた膨大なトラブル事例や最新のノウハウに基づいて構成されています。

これを学ぶことは、個人の限られた経験を大幅に拡張し、網羅的かつ深掘りされた仲介実務を体得することに繋がります。

私自身、この学びを通じて物件調査における新たな切り口を得ることができました。

何年実務を積んでも「まだ知らないトラブル事例がある」という事実は、常に身を引き締めるきっかけになります。

デスクのそばに置き、いつでも手に取れるようにしているテキスト

「暗黙知」から「形式知+α」の時代へ

かつての不動産仲介は、いわゆる「勘と経験」が物を言う「暗黙知」の世界でした。

しかし現在は、知識や経験が共有される「形式知」の時代へと移行しています。

さらに将来は、AIの進化によってデジタル化された膨大なデータが「知の泉」となり、誰でもどこでも高度な知識にアクセスできる時代がやってきます。

そうなれば、暗黙知の領域は必然的に小さくなり、「形式知 + アルファ(人間ならではの判断力やホスピタリティ)」が問われる時代になります。

20259月には、国土交通省と業界6団体によって「宅地建物取引業リスキリング協議会」が設立されるなど、業界全体で学び直しの機運がかつてないほど高まっています。

今この波に乗って学び続けるかどうかが、5年後、10年後の立ち位置を左右すると言っても過言ではありません。

最後に:地域のお客様のお役に立つために

ぜひこの機会に、皆さんも「リスキリング(学び直し・学び増し)」を始めてみませんか。

学ぶことで得られる新しい気づきは、毎日の実務を確実にアップグレードしてくれます。

私も一人の実務家として、学び続けた知識をここ福山の地で実践し、目の前のお客様のお役に立てるよう精進してまいる所存です。

 

【マンションウォッチ】平均157万円の「決断」。価格急落が示す市場の消化不良と売主様の焦燥

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

20263月度のデータは、これまでの「高値での膠着」が完全に崩れ、市場が激しい「調整局面」に突入したことを明確に示しています。

先月、私は市場が「深刻な消化不良」に陥っていると警告しましたが、今月はその滞留を解消するために、売主様たちがかつてない規模の「決断」を下した月となりました。

1.【全体サマリー】20263月の主要データ

今月のデータで特筆すべきは、下落の「幅」とその「エネルギー」です。

  • 平均在庫日数:302.2(前月 305.3日から微改善 📉)
  • 70㎡換算平均価格:2,234万円(前月比 -98万円 📉)
  • 70㎡換算中央価格:1,942万円(前月比 -100万円 📉)
  • 値下げ単価(1物件あたり):157万円(過去1年で最大 🚀)
  • 流通物件数:165(前月と同数 ➡️過去2年間で最多のまま
  • 新規件数:19件 / 掲載終了件数:19(完全な均衡)

今月のハイライトは、「平均・中央価格が揃って100万円下落」したこと、そしてそれを引き起こした「平均157万円という大幅な値下げ」です。

2. 1物件あたり157万円」の値下げが意味するもの

今月、価格改定を行った物件の平均値下げ額は「157万円」に達しました。

これは単なる端数調整ではありません。

これまでの「50万円、100万円刻みの値下げ」では買い手が反応しないことを悟った売主様たちが、一気に150万円以上の幅で価格を叩き、成約を勝ち取りに行った結果です。

この「157万円」という強烈な一打が、これまで上振れしていた中央価格を1,942万円という本来の実需水準まで一気に引き戻しました。

3. 3ヶ月のタイムラグ理論」の結末と、均衡の正体

昨年末からの在庫増に対し、先月(2月)には価格改定率が15.8%まで急増しました。

私が唱えてきた「3ヶ月のタイムラグ理論」の通り、2月に始まった「売主様の焦燥」が、3月に「157万円という大幅な値下げ」を伴う価格リセットとなって現れました。

新規物件と掲載終了(成約等)が19件で同数となり、在庫の積み上がりは一旦止まりましたが、それはあくまで「150万円以上の値下げを断行した物件が、ようやく出口を見つけた」に過ぎません。

山のような在庫165件を解消するには、まだ入り口に立ったばかりと言えます。

4. 特定年代の決壊:築1520年層が主導する下落

年代別に見ると、この「157万円」という値下げ圧力がどこにかかっているかが鮮明になります。

  • 1520年未満:価格が前月比 -13.15%(約340万円)の暴落

これまで相場を無視して高値で粘っていたこの層が、今月一斉にパニック的とも言える「損切り」を行いました。

  • 1015年未満:価格改定率 35.7%

3件に1件以上」が価格を見直しています。ライバル165件の中から選ばれるための値下げ合戦が、最も激しく行われているエリアです。

  • 5年未満:平均価格 4,813万円(+2.26%

全体が沈む中で、築浅物件だけは独自の高値圏を維持。市場は完全に二極化しています。

5. まとめ:これからの戦略

20263月のデータは、福山のマンション市場において「小手先の対応」が通用しなくなったことを告げています。

  • 売主様へ:今の市場平均である「157万円」という値下げ幅を直視してください。中途半端な値下げは、膨大な在庫の中に埋没し、在庫日数をさらに伸ばす(現在302日)結果を招きます。一撃で決める「インパクトのある価格設定」が不可欠です。
  • 買主様へ:ようやく実需層にとって現実的な価格帯の物件が増え始めました。一気に100万円以上下がった今こそ、これまで手が出なかった物件の「中身」を精査するチャンスです。

 

市場の潮目が大きく変わった今、必要なのは期待ではなく「データに基づいた勇気」です。

福山市での不動産売買、そしてこの複雑な市況を勝ち抜くための戦略的なご相談は、ぜひ杉野伸不動産事務所までお寄せください。

【FMふくやま出演報告】2026年公示地価・上昇の舞台裏とお伝えしたかったこと

こんにちは。

福山市の宅建マイスターの杉野です。

本日、FMふくやま(77.7MHz)の朝の番組「あさまる」にゲスト出演させていただきました。

今回のテーマは、3月18日に発表されたばかりの「2026年(令和8年)公示地価」

地元の皆様、そして不動産売却を検討されている皆様に重要なトピックを、データと現場の肌感覚を交えてお話ししてきました。

▼出演時の音声はこちらからお聴きいただけます。


放送でお話ししたポイント(まとめ)

今回の公示地価の動向については、先日のブログでも詳しく解説しておりますので、放送でお伝えした要点を簡潔にまとめました。

  • 福山市全体は「5年連続の上昇」を維持

    • 全用途平均:+2.4%(前年+2.3%)

    • 特に商業地:+4.5%(昨年に続き高い水準だが、勢いは「高原状態」へ)

  • 10年前との比較で見える「ワニの口」現象

    • 2016年を基準にすると、独走する「中心部の商業地」と、ようやく回復してきた「住宅地」で格差が拡大。

  • エリア別の「違い」がより鮮明に

    • 中部・南部・西部:再開発やインフラ整備、強い実需により上昇基調。

    • 北部・郊外:緩やかな上昇で、比較的安定している状況。場所によっては下がっている地域も。

宅建マイスターとして、今お伝えしたいこと

放送の最後でもお話ししましたが、公示地価はあくまで「過去の結果」です。

これからの市場は、金利動向や建築費の影響を受け、より選別が厳しくなるフェーズに入ります。

「上がっているから高く売れるはず」という一喜一憂ではなく、成約事例という「生の情報」に基づいた冷静な判断こそが、不動産取引における「最良の薬」となります。

ご自身の土地やマンションが今どのような位置にいるのか。正しい現状を知ることが、後悔しない売却の第一歩です。

不動産に関するご相談や査定のご依頼は、いつでもお気軽にお寄せください。

データに基づき、誠実に対応させていただきます。

2026年福山市公示地価・実需と再開発が牽引する上昇基調

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

3月18日に国土交通省より2026年(令和8年)の全国公示地価が発表されました。

日本経済新聞の報道によると、今年の全用途の全国平均は前年比で2.8%上昇し、5年連続のプラスとなるとともに、伸び幅はバブル期以降で最大を記録しました。

企業の業績堅調を背景としたオフィス需要の高まりや、国内外からの投資マネーが過去最大規模で流入していることが、地価を大きく押し上げる要因となっています。

広島県全体を見ても、商業地が3.1%と高い伸びを示しています。

 

今回は、この全国的な上昇の波が福山市の不動産市場にどのような影響を与えているのか、データに的を絞って観察をしてみたいと思います。

前回記事『2025年福山市公示地価・上昇トレンド継続中』

福山市の対前年増減率

福山市全体の調査結果を用途別に一覧の表にまとめました。

住宅地

商業地

工業地

合計

調査地点

76

23

8

107

平均価格

(1㎡あたり)

51,145

(49,816)

147,678

(140,283)

37,138

(36,300)

70,848

(68,425)

前年増減率

+1.8%

(+1.6%)

+4.5%

(+4.5%)

+2.3%

(+2.3%)

+2.4%

(+2.3%)

出典:(公社)広島県不動産鑑定士協会ホームページ『広島県の地価公示価格』より作成

 

福山市における2026年の公示地価の対前年増減率を見ると、住宅地が+1.8%、商業地が+4.5%、工業地が+2.3%、全用途平均で+2.4%となりました。

全用途平均は着実に上昇傾向を維持しており、特に商業地は昨年に引き続き4.5%という高い上昇率を記録しています。

福山駅周辺の再開発効果や、全国的な投資マネーの流入が福山市の中心部にも波及していることが読み取れます。

ただ、データを少し深読みすると、商業地の上昇率は2024年に+4.2%と大きく跳ね上がった後、昨年と今年は同率(+4.5%)で推移する「高原状態」に達していることが分かります。

価格自体は上がっているものの、これ以上の高値追いには市場が慎重になり始めており、上昇の勢い(加速度)には少しブレーキがかかり始めている兆しが見える点も、今年の注目ポイントです。

高騰する住宅地価格トップ10

住宅地に限定し、上昇率の高い上位10地点を一覧表にしました。

調査地点

価格

(1㎡あたり)

前年上昇率

西町三丁目

144,000

+6.7%

光南町二丁目

144,000

+6.7%

瀬戸町大字山北

53,200

+5.1%

東川口町三丁目

81,800

+4.9%

野上町一丁目

111,000

+4.7%

三吉町南一丁目

96,000

+4.6%

北美台

55,000

+4.4%

新涯町四丁目

76,600

+4.4%

南松永町一丁目

64,000

+4.4%

新涯町一丁目

88,000

+4.3%

 

特に上昇率が高かった西町三丁目と光南町二丁目は、共に+6.7%という非常に高い上昇率を記録しました。

福山駅周辺の利便性の高さから、マンション用地や戸建て用地としての需要が極めて高く、地価を強く押し上げています。

 

また、注目すべき点として、中心部から少し離れた「瀬戸町大字山北」が+5.1%と昨年に引き続き高い水準で上昇しています。

福山道路などのインフラ整備への期待感に加え、子育て世代からの根強い需要が周辺地域における宅地開発を推し進める促進剤となり、地価を支えていると考えられます。

成約事例データから見る「現場の感覚」

公示地価と、我々が日々扱っている実際の成約価格(実勢価格)にはどのような関係があるのでしょうか。

今回は、特に住宅地として根強い人気を誇る「南部エリア」の最新取引データと照らし合わせてみます。

データを見ると、南部エリアにおける実需(実際に住むための需要)の強さが際立っています。

例えば、公示地価の上昇率トップ10にも名を連ねる「新涯町」エリアでは、直近の成約事例において坪単価17万円〜40万円台まで幅広い取引が確認でき、中には売り出しからわずか15日や40日程度でスピード成約に至るケースも見られます。

また、「沖野上町」や「多治米町」エリアでも、実勢価格で坪単価25万円〜35万円前後での成約がボリュームゾーンとなっており、非常に活発な市場であることが伺えます。

手前味噌にはなりますが、弊社でも昨年秋に「川口町一丁目」の売土地をご成約させていただきました。売り出しから約2ヶ月半(78日)というスムーズな成約となりました。

現場の肌感覚としても、これら南部エリア(沖野上町、多治米町、新涯町、川口町など)のように、平坦地で商業施設や学校へのアクセスが良い生活利便性の高い地域は、売りに出た物件に対する買い手の反応が非常に早いです。

実際の取引価格が公示地価と同等、あるいは条件によっては上回って成約するケースも珍しくありません。

投資マネーだけでなく、「福山で暮らしやすい場所に家を建てたい」という力強い実需が、南部エリアを中心とした福山市の地価をしっかりと底支えしていることが、実際の成約データからも裏付けられています。

 

まとめ

2026年の福山市公示地価は、全国的な地価上昇の波と連動しつつ、中心部の商業地と、住環境に優れた住宅地が牽引する形で力強い上昇を見せました。

しかし、上昇の伸び率が少しずつ鈍化し始めているデータが示す通り、長らく続いた右肩上がりの相場も、徐々に「ピークアウト(頭打ち)」に向けた転換期に差し掛かりつつあります。

売却を検討されている方にとっては今が絶好の機会であると同時に、これからは「相場以上の強気すぎる値付けは、長期間売れ残るリスクが高まる」というシビアな局面への移行期でもあります。

一方、購入を検討されている方にとっては「いかに適正価格で、条件に合う物件をスピーディに掴むか」がこれまで以上に重要になります。

今後の市場動向を注視しつつ、精緻なデータ分析に基づく慎重な計画と情報収集を行うことが、不動産売買を成功させるための最大の鍵となるでしょう。

 

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【マンションウォッチ】過去最長の「在庫305日」と市場の消化不良

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

3月に入り、卒業や進学など新生活に向けた動きが活発になる時期ですが、福山の中古マンション市場は今、かつてない「目詰まり」の状態に直面しています。

今回のマンションウォッチでは、20262月度の最新データを分析しました。

先月お伝えした「3ヶ月のタイムラグ理論」による予測が的中し、停滞していた市場がついに動き出しましたが、その中身は非常にシビアなものとなっています。

1.【全体サマリー】20262月の主要データ

まずは、今月の主要な数値をご確認ください。

  • 平均在庫日数:305(前月比 +6日 📈)過去2年間で最長
  • 70㎡換算平均価格:2,332万円(前月比 -0.21%  ほぼ横ばい
  • 70㎡換算中央価格:2,042万円(前月比 +0.05% ほぼ横ばい
  • 平均と中央の価格差:290万円(前月 296万円からさらに縮小)
  • 価格改定率:15.8%(前月 10.1%から急上昇 🚀)
  • 流通物件数:165(前月比 +6件 📈)過去2年間で最多

2月の市場を一言で表すと、「出口(成約)が塞がったまま、在庫が過去最高レベルまで膨れ上がり、売主様が一斉に値下げに動き出した」という、非常に緊迫感のある状況です。

2. 直近のトレンド:「300日の壁」を突破した滞留の深刻化

今月の最も深刻な動きは、平均在庫日数がついに305を記録したことです。

これまで「300日の壁」は市場の停滞感を示す大きな節目でしたが、これを超えたことで「売り出しても10ヶ月は売れない」という状態が常態化しつつあります。

在庫件数も165件と過去2年間で最多を更新しており、市場が完全に「消化不良」を起こしています。

新規の売り出し物件が入ってくる一方で、買い手が見つかって市場から抜けていく「出口」が極めて細くなっていることが、この記録的な滞留を招いています。

3. 理論の的中:タイムラグを経て始まった「値下げラッシュ」

先月のブログで私は、「在庫増から値下げまでは3ヶ月のタイムラグがある。2月から3月にかけて価格改定の波が来る」と予測しました。

今回のデータは、まさにその予測を裏付ける結果となりました。

  • 価格改定率:10.1%1月) → 15.8%2月)

全体の約16%、つまり「6件に1件」の物件が値下げを決断しています。

特に築30年〜35年前後の層では3割以上の物件が価格を改定しており、年度末(3月)までの成約を目指した「我慢比べの終了」が鮮明になっています。

平均価格が下がり、中央価格(実需層の限界点)との差が縮まってきているのは、高値で粘っていた売主様がようやく現実的な価格設定に歩み寄り始めた兆候と言えます。

4. まとめ:3月以降の戦略

データが示す現在の姿は、溢れる在庫の中から「選ばれるための競争」が本格化した状態です。

  • 売主様へ: 在庫305日、競合165件という数字は、これまでの「待ち」の姿勢では埋没することを意味しています。周囲が値下げを始めた今、それ以上のインパクトを持つ「根拠ある価格戦略」が不可欠です。ライバルが動いている今こそ、先手必勝の判断が求められます。
  • 買主様へ: 「市場の消化不良」により、ようやく価格交渉の余地がある物件や、戦略的に値下げされた物件が増えてきました。ただし、築浅物件など一部の優良物件は依然として高値で動いており、二極化が進んでいます。全体の停滞に惑わされず、個別の物件の「鮮度」と「価格の妥当性」を見極めるべき時期です。

 

市場が動かない時こそ、データという客観的な「羅針盤」が必要です。

福山市での不動産売買に関するご相談は、ぜひ杉野伸不動産事務所までお気軽にお寄せください。

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