【マンションウォッチ】在庫日数は過去最長の274日へ。しかし、その裏で起きている“ある変化”とは
こんにちは。
福山市の宅建マイスター、杉野です。
10月に入り、秋も本番といった気候になりました。不動産市場も、秋の繁忙期を迎えています。
さて、今月も2025年9月度(10月1日集計)の福山市中古マンション市場の動向をご報告いたします。
9月の市場データは、一見すると非常に厳しい数字が並びました。
平均在庫日数が過去1年間で最長となる「274日」に達し、マンション売却が本格的な「長期化の時代」に突入したことを示しています。
しかし、その水面下では、今後の売却戦略を考える上で、希望とも言える非常に重要な“ある変化”が起きています。
今回は、この変化の正体を深掘りし、売却の長期化時代を乗りこなすための具体的なヒントを解説します。
1.【全体サマリー】2025年9月の主要データ
まずは、今月の主要な数値を一覧でご確認ください。
- 平均在庫日数: 274日(前月比 +6.2% 📈)【過去最長】
- 70㎡換算平均価格: 2,229万円(前月比 -0.8% 📉)
- 70㎡換算中央価格: 1,957万円(前月比 +0.5% 📈)
- 流通物件数: 150件(前月比 -5.1% 📉)
- 新規掲載件数: 16件
- 掲載終了件数: 27件
- 価格改定(値下げ)率: 14.0%
- 1件あたりの平均値下げ額: 118万円
2.【核心】「274日」という数字の裏側で起きていること
9月の市場で最も深刻に受け止めるべきは、平均在庫日数がついに274日に達したことです。
これは「売りに出してから成約まで、平均で9ヶ月以上かかる」という重い現実を示しています。
この長期化の最大の要因は、買い手の厳しい選別によって「売れる物件」と「売れ残る物件」の二極化が進行し、「売れ残る物件」が市場に滞留し続けているためです。
しかし、本当に注目すべきは、この平均値の内訳です。
9月に市場から退出した物件を詳しく分析すると、驚くべき事実が見えてきました。
- 【成約した物件】の平均販売日数:137日(約4.5ヶ月)
- 【成約以外で掲載終了した物件】の平均日数:228日(約7.5ヶ月)
この2つの数字の差こそが、現在の市場の本質を物語っています。
3.【希望の兆し】成約物件の販売日数が、劇的に短縮している
過去のデータと比較すると、この変化はさらに鮮明になります。
成約物件 |
成約以外の 掲載終了物件 |
|
7月 | 360日 | 333日 |
8月 | 227日 | 211日 |
9月 | 137日 | 228日 |
7月、8月は、成約する物件も、そうでない物件も、同じように長い期間がかかっていました。
しかし9月に入り、成約する物件の販売期間だけが、1ヶ月で約3ヶ月も短縮されるという劇的な変化が起きたのです。
これは、「価格や条件が適正な物件に対して、買い手は以前よりも早く決断するようになっている」ことを意味します。
市場が停滞しているわけではなく、むしろ「選ばれる物件」にとっては、好機が訪れているのです。
4. まとめ|売却の長期化時代に、売主様が取るべき戦略
9月のデータが示すのは、福山市の中古マンション市場が、「売れ残れば平均9ヶ月以上かかる厳しい現実」と、「選ばれれば平均4.5ヶ月で成約できる希望」が共存する、これまで以上にメリハリのついた市場へと変化したという事実です。
【売主様へ】
今、売主様の前には2つの道がはっきりと示されています。
「9ヶ月以上かけても売れず、最終的に売却を断念する道」か、「4.5ヶ月でスムーズに成約する道」か。
その運命を分ける最大の要因は、「売り出し初期の価格設定」です。
周辺の競合物件の動向や、ご自身の物件が持つ強みと弱みを客観的に分析し、買い手の需要に合った現実的な価格でスタートを切ることができれば、この長期化時代の中でも、十分に早期売却を目指すことが可能です。
「274日」という全体の平均値に惑わされず、ご自身の物件が「選ばれる側」に入るための戦略を立てることが、今、何よりも重要です。
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売却の長期化は、売主様にとって精神的にも、経済的(維持費など)にも大きな負担となり得ます。
この厳しい市場環境の中にも存在する「希望の兆し」を掴むためには、正確なデータに基づいた専門家の視点が不可欠です。
ご自身の資産を最大限に活かすためにも、ぜひ一度、宅建マイスターの杉野にご相談ください。
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