【FMふくやま出演報告】11月21日放送「AI×不動産 3つの落とし穴」
こんにちは。
福山市の宅建マイスター、杉野です。
本日は、毎月恒例となっております FMふくやまの「あさまる」にゲスト出演させていただきました。お聴きいただいた皆様、ありがとうございました。
今日の放送では、進化する「AI(人工知能)」と不動産の関係についてお話ししました。 AIは公開情報を活用したデータ分析には非常に優秀なツールですが、実は不動産実務の現場から見ると「AIには判断できない領域」というものが明確に存在します。
放送でお話しした、AI任せにすると危険な「3つの落とし穴」について、ブログでも詳しく解説します。
▼実際の出演音声(2025年11月21日放送分)はこちらからお聴きいただけます。
1. 「非公開情報」に弱い(成約事例や心理的瑕疵)
AIはインターネット上にある公開情報を集めるのは得意ですが、不動産業界には「表に出ない情報」が山ほどあります。
例えば、ネットに出ている価格はあくまで「売り出し価格」であり、実際にいくらで売れたかという「成約事例」の正確な数字は、我々業者しか見られないデータベース(レインズ)や独自の情報網にしかありません。
また、その土地の過去の履歴や、事件、事故、ご近所付き合いなどの「心理的な情報」も、データ化されていないためAIは拾うことができません。
本当の資産価値やリスクは、こうした非公開情報の中に隠れていることが多いのです。
2. 人が「五感」で感じる情報がない
不動産探しで意外と重要なのが、現地で感じる「匂い・音・湿気・陽当たり」などの五感で得られる情報です。
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風向きによって流れてくる匂い
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特定の時間帯にだけ聞こえる騒音
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土地に立った時に感じる湿気の多さ
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図面上は南向きでも、実際は隣家の陰になって感じる暗さ
これらは、実際に現地に足を運び、人間の「五感」を使わないと分からない情報です。
画面上のスペック比較では「満点」の物件でも、現地に行くと「なんとなく違和感がある」ということはよくあります。AIはこの「感覚的な良し悪し」を判断できません。
3. 「現地・現物」固有の"内在リスク"に対応できない
ここが最も専門知識が必要な部分ですが、不動産には「一見するだけでは気がつかない」、内在リスクがあります。
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地中埋設物・軟弱地盤: 土の中に昔の建物の基礎や、ガラ(ゴミ)が埋まっていないか。軟弱地盤の可能性は無いか。
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隣接地の擁壁(ようへき): 隣の擁壁にひび割れが入っていて危険な状態ではないか。
- 越境物: 現地にある建物の屋根や、隣接地の排水管が越境していないか。
これらはGoogleマップのストリートビューや、インターネット広告に掲載されている画像ではほとんど確認できません。
現地の微妙な高低差や、生えている草の種類、細い路地の存在、マンホールの位置や擁壁の状態などを見て、プロが総合的に判断する必要があります。
ここを見落とすと、購入後に数百万円単位の追加費用がかかることもあり、AIだけの判断では非常に危険です。
最後に
AIはあくまで「入り口の情報収集」には便利ですが、不動産取引の核心部分は、やはり「現地・現物・人」のアナログな確認が不可欠です。
当社では、データには表れない現地の空気感や、周辺の様子、内在するリスクまでしっかり調査した上で、お客様にご提案をしております。
「AIで調べたけど、実際どうなの?」といったご相談も大歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください。


