【マンションウォッチ】過去最多の在庫174件 vs 過去最少の成約13件。
こんにちは。
福山市の宅建マイスター、杉野です。
5月1日に集計を終えた、中古マンションの最新データ(2026年4月分)をまとめました。
これまでの「停滞」のレベルを超え、市場の構造そのものが危機に直面していることを示唆しています。

1. 【全体サマリー】2026年4月の主要データ
- 平均在庫日数:298.5日➡️(300日前後で高止まり)
- 70㎡換算平均価格:2,246万円➡️(ほぼ横ばい)
- 70㎡換算中央価格:1,953万円➡️(ほぼ横ばい)
- 流通物件数(在庫):174件📈 ※過去2年で最多を更新
- 掲載終了件数(成約等):13件📉 ※過去2年で最少を記録
- 新規登録件数:23件📈(供給過多が継続)


2. 直近3ヶ月(1月〜3月)の動き:「価格リセット」の結末
4月のデータを読み解くために、まずは直近3ヶ月の激動を振り返ります。
- 1月【様子見】: 在庫が積み上がる中、売主様は「新年に期待」し、価格を維持(改定率10.1%)。
- 2月【限界点】: 在庫日数がついに305日となり、「300日の壁」を突破。焦った売主様による一斉の値下げラッシュが発生(改定率15.8%)。
- 3月【リセット】: 2月の値下げが浸透。平均・中央価格ともに約100万円急落し、中央価格は1,942万円へ。「中古は2,000万円以下」という実需ラインへ強制リセットされました。
この流れを受け、4月は「価格が下がった分、成約件数が跳ね上がる」と予想されました。しかし、結果は真逆でした。
3. 春の異変:過去3年間の「3月→4月」成約数比較
例年、3月の需要期を過ぎた4月は成約が落ち着くものですが、今年の落ち込みは「季節要因」では片付けられません。
- 2024年3月→4月: 30件 → 17件(季節的な減少)
- 2025年3月→4月: 21件 → 21件(需要が力強く持続)
- 2026年3月→4月: 19件 → 13件(前月比31%減・過去最低)
昨年(2025年)は4月になっても21件という高い成約数を維持していました。
しかし今年は、3月に平均157万円という大幅な値下げを行い、価格を実需ライン(2,000万円以下)に合わせたにもかかわらず、4月の成約はわずか13件。
これは、「価格を下げても出口(成約)が塞がっている」ことを示す危険なサインです。
4. 過去最多の在庫174件 vs 過去最少の成約13件が意味するもの
現在、福山市の中古マンション市場は、かつてない規模の「二次的消化不良」を起こしています。
新規登録が23件あったのに対し、掲載終了(成約等)はわずか13件。
毎月、物件だけが「10件ずつ」市場に溜まっていく計算です。
その結果、在庫は過去2年間で最多の174件に達しました。
| 在庫174件 ÷ 成約13件 = 消化に「13.4ヶ月」 |
現在のペースでは、今市場にある物件をさばき切るだけで1年以上かかります。
買い手側は「100万円単位の値下げ」を目の当たりにしたことで、さらに「もっと下がるのではないか」とシビアな様子見に入っています。
5. 展望とまとめ:出口なき迷路で「選ばれる」ための戦略
客観的なデータを見る限り、この在庫の積み上げは今後も続く可能性が高いと言わざるを得ません。
「供給(新規登録)」のペースに対し、「出口(成約)」の細り方がそれを上回るスピードで進行しており、毎月10件近い「余剰物件」が生まれる構造が定着してしまっています。
今の低水準な成約が続けば、在庫件数は2026年末には200件という、未知の領域に達する懸念すらあります。
2026年4月のデータは、もはや単なる「価格調整」だけでは、この膨大な在庫の山を切り崩せないステージに入ったことを示しています。
■ 売主様へ:
174件という過去最多の競合の中で、わずか13件という狭き門をくぐるには、価格の適正化はもちろん、「物件の個性(リノベーションや保証)」や、他社を圧倒する「強力な露出戦略」が不可欠です。
「174分の1」に残るための、攻めの戦略への切り替えが求められています。
■ 買主様へ:
過去最多の物件数から選べる、歴史的な「買い手市場」が続いています。
しかし、出口が塞がっている今だからこそ、単なる安さに惑わされず、将来にわたって資産価値を維持できる「本当に価値のある物件」を慎重に見極める目が必要になります。
市場が「消化不良」から「麻痺」に変わる前に、データに基づいた次の一手を打つ必要があります。
福山市の不動産売買に関する不安や戦略のご相談は、ぜひ私、杉野までお気軽にお寄せください。


