【FMふくやま出演報告】10月24日放送「所有者の分からない空き家・空地の管理について」

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

先日、FMふくやまのラジオ番組「あさまる」にゲスト出演させていただきました。

今回の放送では、「近所にある空き家が草木で荒れていて心配」「建物が古くて倒れないか不安」といった、実際にいただいたご相談を基に、ご自身の所有ではない空き家や空き地の管理について、どう対処すればよいかをお話しさせていただきました。

 

実際の出演音声(20251024日放送分)はこちらからお聴きいただけます。

【番組の要点】近所の空き家・空き地で困ったら?

最近、「お隣や近所の空き家」に関するご相談が増えています。

草木が自宅の敷地まで伸びてきたり 、窓ガラスが割れていたり 、瓦が落ちそうになっていたり と、危険な状態になっているケースも見受けられます。

こうした所有者が分からない、あるいは管理されていない不動産は社会問題にもなっており 、2040年には所有者不明の土地をすべて合わせると北海道に匹敵する面積になるという試算もあるほどです。

では、実際に近所の空き家でお困りの場合、どうすればよいのでしょうか。番組でお話しした主な対処法のステップをご紹介します。

 

ステップ1:まずは所有者を調べる(相談先:法務局)

何よりもまず、その空き家や空き地の所有者が誰なのかを調べることが第一歩です。

所有者の情報は、法務局で「登記簿謄本(登記事項証明書)」を取得すれば確認できます。

これは誰でも取得可能で、手数料(窓口で600円程度)を払えば、所有者のお名前やご住所がわかります。

ステップ2:所有者へコンタクトを試みる

所有者の住所がわかったら、手紙で連絡を試みます。

その際、届いたかどうかを確認できる「書留郵便」を利用するのがおすすめです。

もし、時々管理に来ている可能性があるなら、郵便ポストに手紙を入れておくのも一つの方法です。

 

  • 注意点:勝手に草木を切るのはNG

「雑草だから」「敷地に入ってきているから」といって、勝手に切ったり抜いたりすると、後で所有者の方とトラブルになる可能性があります。

まずは必ずコンタクトを取ることを優先してください。

ステップ3:危険な状態なら行政へ相談(相談先:福山市 建築指導課など)

もし建物が倒壊しそう、ブロック塀が崩れそうなど、明らかに危険な状態である場合は、福山市役所(建築指導課など)へ相談してみましょう。

市には「管理不全空き家」として、所有者へ管理するよう通知を出す制度があります。

ただし、これには法的な強制力がないため、必ずしも改善が保証されるわけではありません。

ステップ4:専門家へ相談する(相談先:司法書士など)

登記簿を調べても所有者がわからなかったり、相続が繰り返されていて特定が難しかったりする場合、専門家への相談が必要になります。

「所有者不明土地管理人制度」という、裁判所に申し立てて管理人を選んでもらう制度があり、これにより土地の管理や購入などが可能になる場合があります。

こうした法的な手続きについては、司法書士や弁護士が窓口となります。

 

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空き家・空地問題は、ご近所トラブルに発展しやすく、早めの対応が肝心です。

当社でも、こうした不動産に関するお困りごとのご相談を随時受け付けております。

行政や専門家への橋渡しも含めてサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

 

なぜ、良い中古住宅ほど市場に出回らないのか?~経済学が解き明かす不動産市場のナゾ~

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

先日「既存住宅(中古住宅)の未来」を考える、日本不動産学会のシンポジウムに参加してきました。

そこでは、多くの方が抱えるであろう、こんな疑問を解き明かすヒントが数多く議論されていました。

  • 「大切に住んできた我が家。リフォームもしたのに、なぜ査定価格に反映されにくいのだろう?」
  • 「中古住宅の購入を考えているけれど、品質が不安…」

 

今回は、その専門的な議論の中から、皆様の不動産売却・購入に直接関わる重要なポイントを、プロの視点から分かりやすくお伝えします。

1.中古住宅市場に潜む「レモンの原理」

シンポジウムでは、中古住宅市場が抱える根本的な課題として「情報の非対称性」が挙げられました 。

これは「売り手は家のことをよく知っているが、買い手はその情報を十分に持っていない」という情報のアンバランス状態を指します 。経済学において、「レモンの原理」として古くから知られている経済理論です

レモンの原理とは、「品質の悪い商品(レモン)が、品質の良い商品(ピーチ)を市場から駆逐してしまう」という経済理論です。

買い手は、欠陥のある「レモン」を買ってしまうことを恐れるあまり、本当に良い「ピーチ」に対しても高い価格を払うことを躊躇します。結果として、売り手は「どうせ正当に評価されないなら」と、質の良い「ピーチ」を市場に出さなくなり、市場には「レモン」ばかりが溢れてしまうのです。

まさにこの「レモンの原理」が、中古住宅市場で起きている問題の核心と言えます。

2.なぜ、理想の取引は生まれないのか?

この「レモンの原理」が働く市場の構造を、シンポジウムで紹介された下の表で見てみましょう。

これは、売り手と買い手の行動の組み合わせによって、お互いの満足度がどう変わるかを示したものです。

表の解説

  • 右下のマス (2.0 / 2.0): 売り手はしっかり家を維持管理し(ピーチを供給)、買い手もそれをきちんと調べて価値を認めるケースです。これが双方にとって最も満足度の高い、理想的な取引です。

ではなぜ、市場は理想的な「右下のマス」に簡単には向かわないのでしょうか?それは、お互いが相手を信頼できず、損をすることを恐れるからです。

  • 売り手の不安(左下のマス 0.0 / 1.0): 「せっかくお金をかけて家を良くしても(ピーチ)、買い手が調べてくれなければ価値を認めてもらえず、投資した分だけ大損してしまう。」
  • 買い手の不安(右上のマス 1.0 / 0.0): 「お金をかけて調べたのに、家の維持レベルが低かったら(レモン)、調査費用が無駄になるだけだ。」

このように、お互いが損をすることを恐れるあまり、結局「何もしない」という左上の選択(質の低い物件が、よく調べられないまま取引される)に落ち着きがちになってしまうのです。

これが、質の良い中古住宅が市場で正しく評価されず、流通しにくくなるメカニズムです。

 

3.「レモン市場」を脱却する鍵「シグナリング」

この悩ましい状況を打破し、理想的な「右下のマス」の取引を実現するための鍵が「シグナリング」です。

これは、専門家による客観的な評価や情報を「信頼の証」として買い手に提示することを指します。

具体的には、以下のような制度がこれにあたります。

  • 建物状況調査(インスペクション): 専門家が建物の状態を客観的に調査・報告します。
  • 住宅性能表示制度: 耐震性や省エネ性などを客観的な等級で示します。

シンポジウムでは、客観的な情報に加え、宅建業者が品質を保証するリフォームが、物件の信頼性を高める有効なシグナルとなることが強調されました。私たちが専門知識を持って介在することで、物件の信頼性は格段に向上し、それが価格にも反映されます。

逆に言えば、一般の売主が行う表面的なリフォームでは、宅建業者によるリフォーム物件ほどの信頼性は担保されず、結果として価格に反映されにくい実態があります。

大切なご自宅の価値を正確に伝え、買い手の不安を解消するためには、こうした「信頼できる情報」を積極的に活用することが何よりも重要です。

 

4.住宅ローンと「金利」の話。今、知っておくべきこと。

話は金融の側面にも及びました。日本の金融機関は、どうしても融資期間を長く設定できる新築住宅を重視しがちで、中古住宅の性能を向上させるリフォームへの融資がまだ活発とは言えない現状が報告されました。

また、消費者動向として、住宅ローン利用者の多くが「変動金利」を選んでいますが、将来の金利上昇リスクを正しく理解している方は決して多くない、というデータも示されました。

低金利時代が長く続きましたが、経済状況は刻々と変化します。不動産のプロとして、売却や購入のタイミングだけでなく、こうした金融に関する知識の重要性も、お客様にお伝えしていく責務があると痛感しています。

5.未来への視点:より良い住環境と社会を目指して

最後に、なぜ今これほど「中古住宅の性能向上」が叫ばれているのか。その背景には、2050年の「脱炭素社会の実現」という大きな目標があります。

実は、建物を新築する際には多くのCO2が排出されます。一方で、既存の住宅を断熱改修するなどして性能を向上させる大規模リフォームは、建て替えに比べてCO2排出量を約半分にまで削減できるという研究結果が報告されました。

質の高い中古住宅をきちんと評価し、次の世代へ住み継いでいくことは、個人の利益だけでなく、地球環境にも貢献する賢い選択なのです。

そして、こうした取り組みは、国が示す国土交通省の住生活基本計画とも軌を一にしています。安全で質の高い住宅ストックを形成し、豊かな住環境を構築していく。この共通理念を持つことで、私たち事業者と消費者が一体となって、より良い未来を築いていけると信じています。

まとめ:私たち不動産のプロフェッショナルが果たすべき役割

今回のシンポジウムを通じて、私たち専門家の使命は、物件の価値を客観的な情報(シグナル)をもって証明し、売り手様と買い手様の間の情報のアンバランスを解消することにあると、改めて認識いたしました。

そして、不動産流通に関わる私たちの役割は、単に物件を仲介するという側面だけではなく、質の高い住宅ストックを次世代へ繋ぎ、より良い社会や環境を作っていく一端を担っているのだと確信しました。

 

宅建マイスターとして、専門知識を最大限に活用し、皆様の大切な資産が市場で正当に評価されるよう、全力でサポートすることをお約束します。

不動産の売却・購入に関するご不安やお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

【マンションウォッチ】在庫日数は過去最長の274日へ。しかし、その裏で起きている“ある変化”とは

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

10月に入り、秋も本番といった気候になりました。不動産市場も、秋の繁忙期を迎えています。

さて、今月も20259月度(101日集計)の福山市中古マンション市場の動向をご報告いたします。

9月の市場データは、一見すると非常に厳しい数字が並びました。

 平均在庫日数が過去1年間で最長となる「274日」に達し、マンション売却が本格的な「長期化の時代」に突入したことを示しています。

しかし、その水面下では、今後の売却戦略を考える上で、希望とも言える非常に重要なある変化が起きています。

今回は、この変化の正体を深掘りし、売却の長期化時代を乗りこなすための具体的なヒントを解説します。

1.【全体サマリー】20259月の主要データ

まずは、今月の主要な数値を一覧でご確認ください。

  • 平均在庫日数: 274日(前月比 +6.2% 📈)【過去最長】
  • 70㎡換算平均価格: 2,229万円(前月比 -0.8% 📉)
  • 70㎡換算中央価格: 1,957万円(前月比 +0.5% 📈)
  • 流通物件数: 150件(前月比 -5.1% 📉)
  • 新規掲載件数: 16
  • 掲載終了件数: 27
  • 価格改定(値下げ)率: 14.0%
  • 1件あたりの平均値下げ額: 118万円

2.【核心】「274日」という数字の裏側で起きていること

9月の市場で最も深刻に受け止めるべきは、平均在庫日数がついに274に達したことです。

これは「売りに出してから成約まで、平均で9ヶ月以上かかる」という重い現実を示しています。

この長期化の最大の要因は、買い手の厳しい選別によって「売れる物件」と「売れ残る物件」の二極化が進行し、「売れ残る物件」が市場に滞留し続けているためです。

しかし、本当に注目すべきは、この平均値の内訳です。

9月に市場から退出した物件を詳しく分析すると、驚くべき事実が見えてきました。

 

  • 【成約した物件】の平均販売日数:137日(約4.5ヶ月)
  • 【成約以外で掲載終了した物件】の平均日数:228日(約7.5ヶ月)

 

この2つの数字の差こそが、現在の市場の本質を物語っています。

3.【希望の兆し】成約物件の販売日数が、劇的に短縮している

過去のデータと比較すると、この変化はさらに鮮明になります。

成約物件

成約以外の

掲載終了物件

7月 360日 333日
8月 227日 211日
9月 137日 228日

 

7月、8月は、成約する物件も、そうでない物件も、同じように長い期間がかかっていました。

しかし9月に入り、成約する物件の販売期間だけが、1ヶ月で約3ヶ月も短縮されるという劇的な変化が起きたのです。

これは、「価格や条件が適正な物件に対して、買い手は以前よりも早く決断するようになっている」ことを意味します。

市場が停滞しているわけではなく、むしろ「選ばれる物件」にとっては、好機が訪れているのです。

4. まとめ|売却の長期化時代に、売主様が取るべき戦略

9月のデータが示すのは、福山市の中古マンション市場が、「売れ残れば平均9ヶ月以上かかる厳しい現実」と、「選ばれれば平均4.5ヶ月で成約できる希望」が共存する、これまで以上にメリハリのついた市場へと変化したという事実です。

 

【売主様へ】

今、売主様の前には2つの道がはっきりと示されています。

9ヶ月以上かけても売れず、最終的に売却を断念する道」か、4.5ヶ月でスムーズに成約する道」か。

その運命を分ける最大の要因は、「売り出し初期の価格設定」です。

周辺の競合物件の動向や、ご自身の物件が持つ強みと弱みを客観的に分析し、買い手の需要に合った現実的な価格でスタートを切ることができれば、この長期化時代の中でも、十分に早期売却を目指すことが可能です。

 

274日」という全体の平均値に惑わされず、ご自身の物件が「選ばれる側」に入るための戦略を立てることが、今、何よりも重要です。

 

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売却の長期化は、売主様にとって精神的にも、経済的(維持費など)にも大きな負担となり得ます。

この厳しい市場環境の中にも存在する「希望の兆し」を掴むためには、正確なデータに基づいた専門家の視点が不可欠です。

ご自身の資産を最大限に活かすためにも、ぜひ一度、宅建マイスターの杉野にご相談ください。 

 

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東陽台二丁目、72坪の整形地。建築条件無し・更地渡し

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

本日は『東陽台二丁目・売土地』掲載いたしました。

土地面積72.53坪の整形地、建築条件はございません。

現存する建物は売主様の費用負担で解体し、更地の状態でお引き渡しします。

境界確定測量も完了済みのため、土地の範囲が明確です。

福山市ハザードマップにおいて、洪水・土砂災害・津波の想定区域外となっています。

詳しい物件情報は、こちらのページからご覧いただくことができます。






 

↓↓物件紹介ページ↓↓

【東陽台二丁目、72坪の整形地。建築条件無し・更地渡し】

→その他物件情報はこちらからご覧いただけます。

 

※物件情報は2025年10月10日現在のものです。すでに売約済みの場合にはご容赦くださいませ。

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