【FMふくやま出演報告】「上昇する住宅ローン金利への備え」宅建マイスターが伝える賢い資金計画

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

先日7月24日、FMふくやま(77.7MHz)の朝の番組「あさまる」内のコーナーにゲスト出演させていただきました。

連日、福山市内でも猛暑が続いておりますが、不動産業界で同じようにを帯びているのが「住宅ローン金利の上昇」に関する話題です。

今回は、金利上昇局面においてどのように住宅ローンと向き合い、後悔のない住まいづくりを進めるべきか、宅建マイスターの視点でお話ししてきた内容をまとめました。

実際の出演音声(2026724日放送分)

「借りられる額」と「返せる額」は違う(年収負担率の落とし穴)

金利上昇が続く中、最も注意したいのが住宅ローンの資金計画です。

例えば、福山市の平均世帯年収(約479万円)でシミュレーションすると、計算上は毎月約11万円の返済額までローン枠を組むことができてしまいます。

しかし、実際の生活費や今後の金利上昇リスクを考慮すると、上限ギリギリまで借り入れるのは非常に危険です。

  • 返済額の目安: 手取り年収の25%以内に抑える計画を推奨しています。
  • 福山市の平均世帯年収での理想像: 毎月の返済額を7万円台に抑えることで、将来的に金利が上昇した場合でも返済に行き詰まらない「余白」を残すことができます。

見落としがちな「維持管理・修繕費用」の積み立て

    住宅購入後に思わぬ負担となるのが、設備の故障や建物の維持管理費用です。

    • 給湯器などの突然の故障: 例えば給湯器の寿命は10年〜15年程度とされており、築10年前後の中古住宅を購入した場合、入居後すぐに交換が必要になるケースもあります。
    • 物価高騰の影響: 近年の物価高により、設備機器本体や工事費用自体も高額化しています。

    ローン返済だけでなく、将来の修繕費として毎月5,000円〜1万円程度を積み立てていける資金的なゆとりを持つことが、安心して暮らし続けるポイントです。

    フルローンリスクと「自己資金(頭金)」の重要性

    低金利時代には「頭金ゼロのフルローン」や「控除を活用した上限いっぱいの借入」が主流でした。

    しかし、住宅ローン控除率の変動(0.7%への縮小)や金利の上昇が重なる現在、フルローンでのギリギリの計画はアクシデントに弱くなります。

    • 自己資金の用意: 物件価格の1割程度でも自己資金(頭金)を用意し、総借入額を減らすのが安全です。
    • リスクヘッジ: 共働き(2馬力)での返済計画も、万が一どちらかが働けなくなった場合を想定し、無理のないプランを立てておくことが大切です。
    • 贈与の活用: 親御様からの資金援助(非課税枠の活用)なども有効な手段ですが、援助があるからといって借入限度額まで借りてしまわないよう注意が必要です。

     

    宅建マイスターとしてお伝えしたいこと

    金利や物件価格の上昇が続く今、不動産購入において重要なのは「勢いではなく、事前のしっかりとした資金計画」です。

    良い物件に出会うとどうしても焦りがちですが、事前にライフシミュレーションを行い、ご自身の適正な借入額を知っておくことで、金利変動にも揺らがない安全な住まいづくりが可能になります。

    「自分たちの年収だと、いくらまで借りるのが安全?」「変動と固定、どちらを選ぶべき?」など、具体的な資金計画や事前審査のご相談も随時承っております。

    どうぞお気軽にお問い合わせください。

    【マンションウォッチ】平均172万円の価格リセット。売買価格を直撃する「修繕積立金値上げ」の壁

    20266月度(71日集計)の福山市内中古マンションの市場動向データがまとまりました。

     

    先月(5月度)の市場分析では、全体の平均在庫日数が過去最長の313日(約10ヶ月半)まで延び、「市場の目詰まり」が深刻化している実態をお伝えしました。

    今月は在庫日数が309日とわずかに減少したものの、水面下では売主様の「ある決断」によって市場が大きく動き始めています

    その決断の背景にあるのが、買い手側の心理をダイレクトに支配し始めた「管理コスト(修繕積立金)上昇の壁」です。

    データから見るリアルな市場の現在地を解説します。

    1.【全体サマリー】20266月の主要データ

    まずは全体の主要数値から振り返ります。

    • 平均在庫日数 309日📉 (前月比 -4日)
    • 70㎡換算平均価格 2,121万円📉 (前月比 -34万円)
    • 70㎡換算中央価格 1,910万円📉 (前月比 -28万円)
    • 流通物件数(在庫) 167➡️ (前月比 横ばい)
    • 掲載終了件数(成約等) 24件📉 (前月比 -2件)
    • 価格改定件数 19件📉 (前月比 -1件)
    • 合計値下げ額 3,275万円📈 (前月比 +1,365万円)
    • 値下げ単価172万円📈 (前月比 +76万円)

    今月最も注目すべきは、価格改定の件数自体は前月とほぼ変わらないにもかかわらず、「値下げ単価」が172万円へと跳ね上がった点です。

    これは、売主様が大胆な価格リセットを断行し始めたことを物語っています。

    その結果、平均価格(2,121万円)と中央価格(1,910万円)のギャップが縮まりつつあり、市場全体が一般の実需層が手の届く「現実的な価格帯」へと収斂しています。

    2. 全国で進む「管理コスト増大」の背景

    なぜ、これほどまでに大胆な価格リセットが必要とされているのでしょうか。

    そのヒントは、昨年12月に当事務所へご相談いただいた案件にあります。

    この物件は間もなく築10年を迎えるタイミングで、2027年から修繕積立金が月額2万円近くまで一気に上昇することが決定していました。

    実はこうした修繕積立金の大幅な値上げは、福山に限らずいま全国のマンションで深刻化しています。

    その背景にはいくつかの大きな要因があります。

    1. 建築資材の高騰と人件費の上昇:近年の歴史的な物価高に加え、建設業界の深刻な人手不足により、大規模修繕工事にかかるコストそのものが数年前とは比較にならないほど膨れ上がっています。
    2. デフレ期における「甘い見通し」のツケ:多くのマンション(特に1020年前に建築されたもの)は、物価や人件費が上がらないデフレ環境を前提とし、新築時の販売をスムーズにするために初期の積立金を極端に安く設定していました。この見通しの甘さが、今になって急激な値上げとなってツケを回しているのです。
    3. 金利上昇に伴う資金調達の負担増:最近の金利上昇も、将来的な修繕計画や組合の資金運用、さらには買い手側の住宅ローン返済負担感に大きな影を落としています。

    実需層の多くは、物件価格そのものだけでなく、「住宅ローンの毎月返済額 + 管理費 + 修繕積立金 = 月々の支払総額」で予算を組み立てます。

    仮に修繕積立金が1万円〜1.5万円値上がりすると、買い手側にとっては「毎月のローン返済額をそれだけ減らさなければならない」ことと同義になります。

    これは、ローンの借入可能額(=物件の購入価格)も引き下げなければならないという心理的ブレーキを生むのです。

    いくら立地が良く、中身が綺麗であっても、「維持費が高い」という事実は売買価格に直接反映され、売主様側がその分を物件価格から差し引かない限り、今の買い手市場では選ばれなくなっています。

    6月度の「値下げ単価172万円」という数字は、まさに売主様がこの維持費の増大という現実に直面し、歩み寄りを迫られた結果と言えます。

    3. 年代別の二極化:維持費高騰リスクを警戒する実需層

    年代別の詳細データを見ると、この管理コストの影響が市場の動きに関連していることが示唆されています。

    • 30年〜35年未満(最多在庫:34件) / 平均在庫日数:228.6
      在庫件数が最も多いこの築古実需ゾーンですが、平均価格は1,400万円台まで下がっています。2回目・3回目の大規模修繕や積立金高騰リスクを織り込み、売主様が早期に価格を下げて実需層の予算に合わせているため、長すぎない期間で正常に成約へと至っています。
    • 10年〜20年未満(目詰まりゾーン)/ 平均在庫日数:317.8日〜365.2
      ちょうど先ほどの相談事例のように、過去の段階増額プランによって修繕積立金が跳ね上がる(あるいはそれを間近に控えている)時期の物件たちです。平均価格は2,600万〜2,800万円台と高額を維持していますが、高額な物件価格に高い維持費がダブルで乗るため、買い手側の心理がフリーズし、平均で1年近く目詰まりを起こしています。

    4. まとめ:これからの戦略

    6月度のデータは、単に「値下げ額が増えた」という話ではなく、「買い手のリアルな毎月の維持費負担」を無視した売り出し価格は通用しなくなっているという市場の構造変化を示しています。

    • 売主様へ
      ご自身のマンションの修繕積立金が現在いくらで、今後どう変わる計画なのかを今一度ご確認ください。1年以内に値上げが控えている場合、買い手はそのリスクを確実に計算しています。ランニングコストまで含めた「適正価格への早期リセット」が不可欠です。
    • 買主様へ
      物件価格が安く見えても、購入直後に修繕積立金が急騰する計画がないか、管理組合の協議事項を記録した議事録や、長期修繕計画案を必ずチェックしてください。「目先の物件価格」と「将来の管理コスト」のバランスを慎重に見極める目が求められます。

     

    データに基づいた具体的な売却・購入戦略や、ランニングコストを考慮した資金計画については、ぜひ杉野までお気軽にご相談ください。

    公認不動産コンサルティングマスター認定のご報告と今後の抱負

    この度、2026年6月30日付で、公益財団法人不動産流通推進センターより「公認不動産コンサルティングマスター」に正式に認定されたことをご報告いたします。

     

    不動産コンサルティングマスターとは、宅地建物取引士としての実務経験を5年以上(または3年以上経験し、必要な研修を受けたもの)積み、同財団が主催する技能試験に合格した者が認定される、日本で唯一の不動産コンサルティングに関する認定資格です。

    【参考】不動産コンサルティングマスター 公式サイト 

    不動産の売買や賃貸といった枠組みにとどまらず、相続、有効活用、その他複雑な権利関係の調整や資産の整理など、多角的な視点から「不動産コンサルティング業務」を担い、お客様の真の利益を叶えるプロフェッショナルとしての活躍が期待されています。

    当社では、2024年に上級宅建士の資格である「宅建マイスター」の認定を受け、不動産の隠れたリスクを見抜き、安心安全な取引を実現することに全力を注いでまいりました。

    今回認定された「不動産コンサルティングマスター」は、いわば不動産を含めた資産活用の総合プロデューサーという位置づけです。

    不動産取引におけるリスクを徹底的に排除する「宅建マイスター」の確かな眼(守り)と、資産の価値を最大限に引き出す「不動産コンサルティングマスター」の柔軟な提案力(攻め)。

    この2つの専門性を「車の両輪」として深く噛み合わせることで、不動産の購入、管理・運用、そして売却・承継に至るまで、より高い次元でトータルプロデュースできる体制が整いました。

     

    所有者不明土地、管理不全空き家、農地山林の処分など、現在の不動産を取り巻く課題はますます複雑化し、お客様のニーズも多種多様なものとなっています。

    私はこれからも、これら2つのマイスター・マスターの資格に慢心することなく、福山市の地域の皆様が抱えるお困りごとを一つずつ丁寧に解決し、より良い未来を切り開くことができるよう、日々の業務と自己研鑽に努めてまいる所存です。

    今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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