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【マンションウォッチ】在庫一掃の7月!30件退出で在庫減も、滞留日数「327日」と価格ギャップ「279万円」が示す市場の歪み
本格的な夏を迎えた2026年7月度、福山市の中古マンション市場は大きな節目を迎えました。
春先から続いていた「在庫の山積み」と「市場の目詰まり」に対し、月間30件もの掲載終了・成約が確認され、在庫件数は前月の167件から152件へと大幅に減少(前月比-15件)したのです。
まさに「滞留在庫の一掃処分」が進んだ1ヶ月となりましたが、データを詳細に紐解くと、単純に「市況が回復した」とは言えない複雑な現実が浮き彫りになってきました。
今回は、7月度に動いた物件の特徴と、市場に生じている「数字のねじれ」の正体を分かりやすく解説します。

1.【全体サマリー】2026年7月の主要データ
まずは、当事務所で毎月集計・分析を行っている主要指標の推移をご覧ください。
- 平均在庫日数:327日📈 (前月比 +18日)過去最長更新
- 70㎡換算 平均価格:2,138万円📈 (前月比 +0.83%)
- 70㎡換算 中央価格:1,859万円📉 (前月比 -2.63%)2024年9月度以来の水準
- 流通物件件数(在庫):152件📉 (前月比 -15件)
- 掲載終了件数(成約等):30件📈 (前月比 +6件)
- 新規売出件数:14件📉 (前月比 -6件)
- 価格改定件数:14件📉 (前月比 -5件)
- 平均 vs 中央 乖離幅:279万円📈 (前月比 +68万円)格差拡大
4月に記録した過去最多在庫(174件)から始まった調整局面は、6月の大幅な値下げラッシュ(値下げ総額3,275万円)を経て、7月に「30件の成約・掲載終了」という形で大きく結実しました。


2. 7月に「動いた物件(30件)」の正体とは?
市場から退出した30件の内訳を詳細に分析すると、大きく4つの傾向に分かれます。
① 1年〜2年超の「長期滞留物件」の損切り・最終決着
販売開始から400日〜700日以上が経過していた長期滞留物件において、大幅な価格調整や売却条件の見直しによる成約、または売却取り下げの動きが相次ぎました。
- 駅前エリアの築浅高額タワー物件(販売開始から2年超)の成約
- 北部・東部エリアの築古リフォーム済み物件(販売期間500〜700日超)の成約・掲載終了
- 賃貸中オーナーチェンジ物件(販売期間600日超)の掲載終了
② 実需ボリュームゾーン(1,500万円〜2,500万円)の消化
ファミリー層が現実的に住宅ローンを組みやすい価格帯で、実勢相場に見合った物件は極めてスムーズに成約に至っています。
- 神辺・北部エリアの人気築浅ファミリー物件(2,000万円台前半)
- 南部・東部エリアの生活利便性に優れた中堅マンション(1,600万〜2,100万円台)
- 中心部近郊で適正水準まで価格改定された物件(成約価格1,600万〜1,700万円台)
③ 1,000万円以下の「低価格・築古物件」の回転
- 昭和〜平成初期築の1,000万円未満物件において、買取再販業者の仕入れや投資用・低予算実需層の成約が活発化しました(300万〜900万円台)。
④ 販売長期化による「売却取り下げ・棚卸し」
- 反響の長期停滞に伴う一般売主様の売却中止や、買取再販業者による販売計画の一時見直しなど、無理な高値売却を取り下げる動きが見られました。
3. なぜ「在庫が減ったのに、在庫日数は過去最長(327日)」なのか?
ここで一つの疑問が生じます。
「30件もの物件が成約・終了して在庫が減ったのに、なぜ平均在庫日数は309日 → 327日へと伸び、過去最長を更新したのか?」
理由は主に2点あります。
- 新規物件の供給減(14件)による「鮮度の低下」 日数の浅い新規物件の流入ペースが落ちたため、市場に残った既存物件(152件)の日数がそのまま1ヶ月分(+30日)上乗せされました。
- 「超長期滞留の重石」が依然として居座っている
- 築40年以上:平均在庫日数 475日(19件)
- 築35〜40年未満:平均在庫日数 405日(25件)
- 築10〜15年未満:平均在庫日数 414日(9件)
駅前タワー物件の一部や築古の割高物件など、販売開始から1年以上(中には3年以上)経過しても動かない「超長期在庫」が依然として市場に残り続けているため、全体の平均値を大きく押し上げています。
4. 価格指標のねじれ:平均価格上昇 vs 中央価格下落
7月度のデータで最も警戒すべきポイントは、「平均価格」と「中央価格」が完全に逆行している点です。
- 70㎡換算 平均価格:2,121万円 → 2,138万円(+0.83% 上昇)
- 70㎡換算 中央価格:1,910万円 → 1,859万円(-2.63% 下落)
- 価格ギャップ:211万円 → 279万円(過去最大級の開き)
実需層が好む1,800万〜2,400万円台の適正価格物件が成約して市場から抜けたことで、中央値(真ん中の価格)は1,859万円へと下がりました。
一方で、成約に至らない6,000万〜8,000万円台の駅前超高額物件が在庫として居座っているため、計算上の平均価格だけが不自然に吊り上げられているのが実態です。
福山市の中古マンション市場の実勢は、「売れる物件が抜けて、高値で動かない物件と安価な築古物件が取り残された結果、相場の二極化と歪みが発生している」というのが客観的な事実です。
5. まとめ:これからの戦略
7月度は、これまでの在庫過多による目詰まりが一歩解消へ向かった反面、「実勢価格(1,800万円台)と高額滞留在庫(平均の歪み)」のギャップが279万円まで広がった月でした。
相場の表面的な数値だけに惑わされず、市場の構造変化を正しく見極めることが重要です。
・売主様へ:実勢の相場感は「1,800万円台(中央値)」
7月に動いた物件が証明しているように、買い手が納得する適正価格にアジャストされた物件から順番に決まっています。
大切な資産を塩漬けにしないためにも、机上の査定額ではなく「直近の成約データ」に基づいた勇気ある価格設定が不可欠です。
・買主様へ:適正価格の優良物件は足が早い
「買い手市場だからじっくり待とう」と考えていると、条件の良い実需向け物件(1,500万〜2,500万円台)は掲載後すぐに成約してしまいます。
一方で、300日以上滞留している物件については、売主様側が価格交渉に柔軟に応じるケースが増えています。
物件価格の妥当性に加え、将来の修繕積立金の値上げリスクなども総合的に精査した上で、賢く交渉を進めましょう。
福山市の中古マンション売却・購入に関する資金計画や具体的な売買戦略は、ぜひ杉野伸不動産事務所までお気軽にご相談ください。
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