【2025年基準地価】福山市の地価は上昇継続!西部の躍進が顕著に
投稿日:2025.09.19
こんにちは。
福山市の宅建マイスター、杉野です。
2025年9月16日、国土交通省から令和7年度の基準地価が発表されました。
全国の全用途平均が4年連続で上昇するなど、景気の緩やかな回復を背景とした地価上昇のサイクルが続いています。
ここ広島県でも、県内の商業地が4年連続、住宅地は2年連続で上昇しました。
今回の記事では、この基準地価の動向について「福山市」に焦点を当てて詳しく解説していきます。
福山市全体の動向:上昇傾向がさらに鮮明に
2025年の福山市の基準地価は、全体の平均で対前年比+2.3%となり、昨年度の+2.0%からさらに上昇幅が拡大しました。
調査対象となった市内の62地点のうち、価格が上昇または横ばいだったのは51地点で、昨年の49地点から2地点増加。
このことからも、福山市内で地価の上昇がより広がりを見せていることが分かります。
用途別の詳細分析
用途別に見ると、宅地見込地を除いた住宅地、商業地、工業地で前年を上回るような上昇率となっており、不動産市場の好調さがうかがえます。
住宅地 | 宅地見込地 | 商業地 | 工業地 | 合計 | |
調査地点数 | 40 | 1 | 17 | 4 | 62 |
平均価格 (/㎡) |
47,300円 (46,200円) |
14,100円 (14,300円) |
135,600円 (128,800円) |
45,200円 (44,000円) |
70,800円 (68,200円) |
対前年度 変動率 |
+1.3% (+1.0%) |
-1.4% (-1.4%) |
+4.7% (+4.7%) |
+2.6% (+2.0%) |
+2.3% (+2.0%) |
出典:広島県ホームページ『令和7年 広島県地価調査の結果について』より作成
※(括弧)内数字は前年度調査
- 住宅地は、昨年の+1.0%から+1.3%へと上昇が加速しています。利便性の高いエリアを中心に、住宅需要の根強さが地価を押し上げています。
- 商業地は、+4.7%と高い上昇率を維持しています。なお、福山市で最も価格が高かったのは「福山市東桜町3-3」で、1平方メートルあたり45万4千円でした。
- 工業地も+2.6%と、昨年の+2.0%から上昇幅が拡大しており、産業活動の活発化が地価に反映されています。
エリア別の動向:中心部が全体をけん引
市内を5つのエリアに分けて見ると、地価の動向には違いが見られます。
エリア |
令和4年度 |
令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 |
中心部 |
+2.1% |
+4.3% |
+5.1% | +5.4% |
南部 |
+1.8% |
+3.0% |
+3.5% | +4.0% |
東部 |
+0.5% |
+1.6% |
+2.2% | +2.5% |
西部 |
-0.5% |
-0.3% |
+0.6% | +1.1% |
北部 |
-0.7% |
-0.4% |
-0.3% | -0.2% |
※各年度の、対前年度変動率を記載
今年も中心部エリアが+5.4%と最も高い上昇率で全体をけん引しています。
再開発が進む福山駅周辺や利便性の高い中心市街地への需要が集中している形です。南部・東部も着実に上昇を続けています。
一方で、北部エリアは-0.2%とわずかながら下落が続いています。しかし、下落率は年々縮小しており、底堅さも見られます。
このように、マンション需要の高い都市部と、人口減少が進む郊外とで地価の二極化が進む傾向は、広島県全体の動きとも一致しています。
住宅地における上位10地点の動向:西部エリアの躍進が際立つ
さらに詳細なデータとして、住宅地における変動率の上位10地点を見てみましょう。
エリア |
調査地点 |
令和7年度 |
中部 |
北吉津町三丁目 |
+4.9% |
南部 |
多治米町四丁目 |
+4.7% |
中部 |
木之庄町一丁目 |
+4.6% |
南部 |
西新涯町二丁目 |
+4.5% |
西部 |
松永町三丁目 |
+4.5% |
中部 |
草戸町四丁目 |
+4.4% |
東部 |
東深津町三丁目 |
+4.0% |
西部 |
松永町二丁目 |
+3.9% |
西部 |
高西町川尻 |
+3.8% |
西部 |
瀬戸町大字地頭分 |
+3.7% |
特に注目すべきは、西部エリアの躍進です。
昨年度、変動率の上位にランクインした西部エリアの地点は1つでしたが、今年度は4地点に増えています。
これは地価上昇の波が、市内の西部エリアへもしっかりと及んできていることを示しています。
まとめ
2025年の基準地価からは、福山市の不動産市場が確かな上昇基調にあることが確認できました。
利便性の高い中心部や南部での地価上昇が引き続き市場をけん引しています。
さらに今年は、これまで上昇が緩やかだった西部エリアも+1.1%と上昇基調に転じただけでなく、市内の住宅地上昇率トップ10に4地点がランクインするなど、地価上昇が本格化している様子がうかがえます。
この市場動向は、不動産の売却を検討されている方、そして購入を検討されている方、双方にとって重要な意味を持ちます。
最後に、それぞれの立場の方へ向けたアドバイスで、この記事を締めくくりたいと思います。
【不動産のご売却を検討されている皆様へ】
地価が上昇している今は、売却にとって「追い風」が吹いている状況と言えます。
需要が高まっているため、条件の良い物件はスムーズな売却が期待できるでしょう。
しかし、そんな時期だからこそ、以下の2点を心がけることが重要です。
-
「適正価格」での売却開始が成功の鍵
市場が活発だからと相場を大きく超える価格で売り出すと、買い手の興味を失い、かえって売却が長期化する恐れがあります。
最新の取引事例に基づいた客観的な査定を行い、適正な価格設定をすることが、結果的に最も高く、早く売るための近道です。
-
第一印象を大切に
購入希望者は、多くの物件を比較検討しています。
売出開始や内覧の前に清掃・整理整頓を行い、物件の魅力を最大限に引き出す準備をすることが、より良い条件での売却に繋がります。
【不動産のご購入を検討されている皆様へ】
地価上昇のニュースを見ると焦りを感じるかもしれませんが、冷静な判断が何よりも大切です。以下の心構えをお持ちください。
- 冷静な視点を保ち、焦らないこと
まず最も大切なのは、「地価が上がっているから」と焦って購入を急がないことです。
基準地価はあくまで特定の地点の価格であり、市場で実際に取引される価格は物件の状態や、「買いたい人」と「売りたい人」の需給バランスによって決まります。
地価が上昇しているエリアであっても、個々の物件を見れば価格が妥当なもの、割安なものも存在します。
大切なのは、報道や全体の雰囲気に流されず、ご自身のライフプランと予算に合った物件をじっくりと見極める慎重さです。
-
「準備」こそが最大の武器
「良い物件が出たらすぐに動ける」状態を作っておくことが成功の秘訣です。
住宅ローンの事前審査や諸費用を含めた資金計画、希望条件の整理を万全に行い、来るべき時に備えましょう。
-
信頼できるパートナーを見つける
情報が溢れる中で、何が本当に価値のある物件なのかを見極めるのは簡単ではありません。
地域の情報に精通し、お客様の立場に立って客観的なアドバイスをくれる不動産会社をパートナーに選ぶことが、後悔のない購入を実現します。
不動産の売買は、皆様の人生における大きな決断です。
その大切な場面で、私たちが専門家として皆様に寄り添い、最適な選択ができるよう全力でサポートさせていただきます。
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