【FMふくやま出演報告】9月25日放送 上昇する基準地価と変化する消費者の意識。賢い不動産選びのポイントとは

9月25日(金)、FMふくやまの朝の番組「あさまる」内のコーナーにゲスト出演させていただきました。

今回は、9月15日に発表された最新の地価動向と、公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)および公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)が発表した意識調査「2026年住宅居住白書」のアンケート結果を踏まえ、「上昇する基準地価と変化する消費者の意識。賢い不動産選びのポイントとは」というテーマでお話ししてまいりました。

 

放送でお伝えした要点をまとめましたので、ぜひ住まい選びの参考にしてください。

 

▼ 実際の出演音声(2026年9月25日放送分)

 

2026年基準地価:緩やかな上昇と広がる「エリア格差」

毎年7月1日時点の土地価格を調査し、9月中旬に発表される基準地価。

福山市内の詳しいエリア別分析や前年との比較データについては、先日のブログ記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひあわせてご覧ください。

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【2026年基準地価】福山市は上昇維持も「高原状態」へ

 

市内の動向を振り返ると、福山駅周辺の西町や霞町といった中心部・商業地が地価を力強く牽引する一方で、郊外や北部エリアとの伸び率の差(二極化)がますます鮮明になっています。

「地価が上がっているから自分の土地も高く売れるはず」「どこも値上がりしている」と平均値の数字だけで判断するのではなく、エリアごとの個別要因をしっかり見極める必要があります。

「買い時ではない」が37.7%へ増加――消費者のリアルな意識

地価の上昇が続く中、実際にマイホームや不動産の購入を検討している一般消費者は現状をどのように見ているのでしょうか。

全宅連・全宅保証が全国の20歳〜65歳の男女5,000名を対象に実施したアンケート調査「2026年住宅居住白書」から、リアルな本音が見えてきました。

①「いまは買い時ではない」と考える人が過去最高水準の37.7%

「いま、不動産は買い時だと思いますか」という質問に対し、「買い時だと思わない」と答えた人は37.7%(前年比+3.0ポイント)となり、過去10年以上の調査の中でも最も高い水準を記録しました。 

 

  • 買い時だと思わない理由:
    • 1位:「価格が高騰しすぎているから」(47.2%)
    • 2位:「住宅ローン金利が上昇しているから」(20.0%)
    • 3位:「自分の収入が不安定または減少しているから」(9.1%)

 

地価の上昇、建築資材や物価の高騰、そして住宅ローン金利の引き上げが、住宅取得を検討する家計を直撃しています。

実際、同調査では「住宅取得を諦めた、または延期した経験がある」と答えた人が全体の32.0%(およそ3人に1人)に上っており、購入意欲にブレーキがかかっている様子が窺えます。

②「買い時だと思う」層が抱く焦燥感

一方で、「買い時だと思う」と答えた人は21.6%でした。

 その理由の第1位は「今後、住宅ローンの金利がさらに上昇しそうなので」(64.4%)が圧倒的多数を占めています。

 

「高すぎて手が出ない」と見送る層と、「金利がさらに上がる前に決断したい」と急ぐ層に、消費者の判断が二分しているのが今年の特徴です。

住まい探しで広がる「顧客のAI活用」とその限界

今回の白書で特に注目すべきトピックが、住宅検討者における「生成AI(ChatGPTやGeminiなど)」の活用実態です。

 

  • 住まい探しで生成AIを何らかの形で利用したことがある人は全体で33.9%(3人に1人)
  • 特に20代では53.4%(半数以上)、30代でも42.3%が利用

 

AIの利用目的としては、「希望エリアの地域情報の収集・比較」(33.5%)がトップで、「専門用語の解説」(28.4%)や「物件情報のメリット・デメリットの整理・比較」(27.6%)が続いています。

 

膨大な物件候補から自分に合う条件を絞り込む初期段階において、AIは非常に便利なツールとして消費者の間に急速に浸透しています。

しかし、以前の出演回でもお伝えしている通り、不動産選びにおいて「AIによる活用には明確な落とし穴」が存在します。

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【FMふくやま出演報告】2025年11月21日放送 AI×不動産 3つの落とし穴

 

AIが集められるのは「インターネット上に公開されている情報」に限られます。

不動産取引で最も重要となる「実際の成約価格(実勢相場)」や「過去の心理的瑕疵(事件・事故等の履歴)」は非公開情報が多く、AIでは正確に拾うことができません。

また、現地の湿気や日当たり、騒音、地盤の硬さ、隣地との境界や擁壁の安全性など、「五感で感じ、現場を歩かないと分からない情報」はAIには判断できない領域なのです。

 

賢い不動産選びのポイント:最後の一押しは「信頼できる担当者」

AIの普及により誰もが手軽に情報を得られるようになった今、消費者が最終判断において重視するポイントにも大きな変化が見られます。

① 店舗や看板より「担当者」を最重視(25.0%)

不動産店を選ぶ際に最も重視するポイントを聞いた設問では、「担当者」が25.0%で第1位となりました。

かつて主流だった「店舗の雰囲気」(11.8%)や「ネット上の口コミ・評判」(18.7%)を大きく上回っています。

 

興味深いことに、AIの利用率が最も高かった20代・30代の若い世代ほど、「担当者」を重視する割合が高くなっています。 

日常的にAIを使いこなしている若い世代だからこそ、「AIができることの限界」を直感的に理解しており、「データだけでは決めきれないからこそ、最後は信頼できる生身のプロに背中を押してもらいたい」と考えていることが背景にあるのではないかと思います。

 

② 求められるのは「注意点やデメリットも包み隠さず話す誠実さ」

消費者が不動産会社や担当者に求めている安心の条件は、極めてシンプルかつ本質的です。

 

  • 安心できるサポート内容(複数回答):
    • 1位:「物件の良い点だけでなく、注意点も正直に教えてくれること」(48.4%)
    • 2位:「契約前に十分な時間をかけて説明してくれること」(32.8%)
    • 3位:「予算や希望条件に合わせて無理な提案をしないこと」(30.0%)

 

  • 担当者に最も期待すること(単一回答):
    • 1位:「わかりやすい説明」(21.4%)
    • 2位:「メリットだけでなく、デメリットなど全て隠さず情報を伝えてくれること」(19.1%)

 

物件の良い部分をアピールするのは営業マンなら誰でもできます。

しかし、これからの賢い不動産選びにおいて本当に頼るべきパートナーとは、「その物件に内在するリスクや将来のコスト、現地のウィークポイントまで包み隠さず正直に教えてくれる担当者」です。

 

▼2026年全宅連・全宅保証 不動産の日アンケート調査結果の詳細

『2026年住宅居住白書』

 

宅建マイスターとして、今お伝えしたいこと

これまで不動産会社の役割は、物件と購入希望者を結びつける「マッチング」が主流でした。

しかし、地価や金利が変動し、情報過多で先行きが見えにくい現代だからこそ、私たちの役割は「依頼者の将来の利益と安心を守るサポーター」へと進化しなければなりません。

物件を購入する際は、初期の候補出しや相場の目安としてAIを賢く活用しつつ、最終的な判断においては、現地調査を徹底し、デメリットも含めて真摯にアドバイスしてくれる専門家を味方につけてください。

 

当社でも最新のAIや客観的な市場データを駆使して分析を行いながら、最後は宅建マイスターとしての目と足で現地を徹底調査し、リスクも含めた誠実なご提案を徹底しております。

福山市内および近隣エリアでの不動産購入・売却・空き家相談など、気になることがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

【2026年基準地価】福山市は上昇維持も「高原状態」へ!工業地の加速と広がる二極化

9月15日、国土交通省より2026年(令和8年)の基準地価が発表されました。

日本経済新聞などの報道によると、全国の全用途平均は前年比+1.5%と5年連続で上昇し、三大都市圏(+4.4%)やインバウンド・オフィス需要が旺盛な都心部が牽引しています。

その一方で、これまで地価上昇をリードしてきた地方4市(札幌・仙台・広島・福岡)の上昇率は前年の5.3%から4.1%へと急減速し、建築費の高騰や金利上昇に伴う再開発の見直し、住宅買い控えなどの影響が全国的にも色濃く表れ始めています。

中国地方全体を見ても、商業地は+0.7%と4年連続のプラスとなったものの、住宅地は-0.2%と29年連続のマイナスが続いており、依然として厳しい状況が続いています。

 

では、こうした全国・地方圏のマクロな環境変化の中で、私たちの街・福山市の不動産市場はどのような局面を迎えているのでしょうか。

今回も公表された詳細なデータと、私たちが日々現場で目の当たりにしている実勢取引(成約事例)を突き合わせながら、分かりやすく解説していきます。

前回記事:『2026年福山市公示地価・実需と再開発が牽引する上昇基調』
昨年の基準地価記事:『【2025年基準地価】福山市の地価は上昇継続!西部の躍進が顕著に』

福山市全体の動向:上昇基調は維持も「高原状態」へ

まずは、2026年(令和8年)の福山市における調査結果を用途別にまとめました。

■ 2026年(令和8年)福山市 基準地価 用途別一覧

住宅地 宅地見込地 商業地 工業地 合計
調査地点 40 1 17 4 62

平均価格

(/㎡)

48,500円

(47,300円)

14,000円

(14,100円)

142,300円

(135,600円)

46,600円

(45,200円)

73,500円

(70,800円)

対前年度

変動率

1.32%

(1.34%)

-0.70%

(-1.40%)

4.36%

(4.66%)

2.93%

(2.58%)

2.23%

(2.29%)

※出典:広島県ホームページ『令和8年 広島県地価調査の結果について』より作成

※(括弧)内数字は前年度調査

 

福山市全体の平均変動率は+2.23%となり、依然として中国地方全体(商業地+0.7%、住宅地-0.2%)や広島県全体(商業地+1.7%、住宅地+0.5%)を大幅に上回る力強い成長力を示しています。

しかし、前年度(令和7年度:+2.29%)と比較すると、伸び率はわずかに縮小しました。

今年3月に発表された公示地価でも「上昇の勢いがピークに達しつつある」とお伝えしましたが、7月1日時点の基準地価においても、価格そのものは上がっているものの、上昇の加速度(ピッチ)にブレーキがかかり、相場が「高原状態(高値圏での頭打ち傾向)」に入ったことが明確にデータへ表れています。

用途別の詳細分析:工業地の躍進と商業・住宅の選別

① 工業地(+2.93%):物流・産業需要を追い風に唯一の上昇加速

今回の調査で最も際立った動きを見せたのが「工業地」です。

全用途の中で唯一、前年の+2.58%から0.35ポイント上昇幅を拡大させました。

  • 曙町4丁目:+3.50%(57,500円 → 59,500円/㎡)
  • 明神町2丁目:+3.00%(66,500円 → 68,500円/㎡)
  • 大門町4丁目:+2.70%(33,200円 → 34,100円/㎡)
  • 箕沖町:+2.50%(23,600円 → 24,200円/㎡)

市内4地点のすべてで上昇幅が拡大しています。

後述する都市計画道路の進展(福山道路の全線事業化や神辺水呑線の事業化)により、港湾・幹線アクセスが飛躍的に改善することを見越した企業の物流用地・工場用地への強い実需が、地価を大きく押し上げています。

② 商業地(+4.36%):駅前再開発の余波と高値警戒感

商業地は平均+4.36%と力強い数値を維持していますが、前年の+4.66%からはやや伸びが鈍化しました。

最高価格地点となった福山駅南口前の「東桜町20番」は481,000円/㎡(+5.90%)に達し、霞町1丁目(+5.90%)、御船町1丁目(+5.60%)、船町(+5.50%)、西町2丁目(+5.30%)など、中心商業地は5%台半ば〜後半の高い伸びを示しています。

しかし、資材高や金利負担により開発採算のハードルが上がっていることから、際限のない高値追いには慎重な姿勢も見え隠れしています。

③ 住宅地(+1.32%):生活利便地の実需集中と郊外の停滞

住宅地は前年(+1.34%)とほぼ同水準の+1.32%となりました。

駅近や平坦な人気住宅地では4〜5%台の上昇を見せる地点がある一方、郊外や島しょ部では下落が続いており、「買われる場所とそうでない場所」の選別がより一層シビアになっています。

上昇を牽引した地点:

  • 北吉津町3丁目:+5.20%(102,000円/㎡)
  • 多治米町4丁目:+4.60%(99,500円/㎡)
  • 木之庄町1丁目:+4.50%(99,800円/㎡)
  • 松永町3丁目:+4.40%(75,700円/㎡)
  • 西新涯町2丁目:+4.30%(87,600円/㎡)
  • 草戸町4丁目:+4.20%(96,000円/㎡)

都市計画とインフラ整備がエリア地価を動かす

2026年の福山市の地価を語る上で欠かせないのが、大型インフラ整備の進展です。

【中心部・南部】 4〜5%台の上昇(駅前波及・平坦地実需が極めて堅調)
【西部(平坦)】 3〜4%台の続伸(松永駅周辺・福山道路への強い期待)
【東部】           2〜3%台の安定推移(幹線道路沿い・岡山方面へのアクセス)
【北部】           横ばい〜微減(0%近傍で停滞。近郊の御幸・横尾町のみプラス)
【西部(島しょ部)】3%前後の下落(内海・沼隈など人口減と需要減が継続)

 

■ 市内5エリアの変動率推移

エリア

令和4年度

令和5年度

令和6年度

令和7年度

令和8年度

中心部

+2.1%

+4.3%

+5.1%

+5.4%

+5.2%

南部

+1.8%

+3.0%

+3.5%

+4.0%

+3.9%

東部

+0.5%

+1.6%

+2.2%

+2.5%

+2.4%

西部

-0.5%

-0.3%

+0.6%

+1.1%

+1.1%

北部

-0.7%

-0.4%

-0.3%

-0.2%

-0.1%

※各年度の、対前年度変動率を記載

1. 福山道路の「全線事業化」と産業軸の強化

2026年4月、国土交通省により福山道路の未着手区間であった「笠岡西〜長和(13.2km)」が新規事業化され、ついに全線事業化が達成されました。

さらに、明神町交差点の慢性的な渋滞を解消し福山港へと直結する「都市計画道路 神辺水呑線(明神町〜曙町)」の事業化も決定したことで、東部・臨海部の物流利便性向上への期待が一気に高まり、前述の工業地の上昇率拡大へと直結しました。

2. 福山沼隈道路の進捗と「草戸町」「瀬戸町」の躍進

工事が目に見えて進む福山沼隈道路の起点側である草戸町4丁目(+4.20%)や、福山道路との結節点となる長和ICを抱える瀬戸町地頭分(+3.30%)では、交通利便性の向上を先取りする形で高い地価上昇が続いています。

なお、先日9月6日には草戸町に新たな市民交流拠点「大和建設まちテラスふくやま」が開設されました。

今回の基準地価(7月1日時点)の調査後であるため数値への直接反映は限定的ですが、子育て・地域活動の拠点として、草戸町周辺の住環境評価を長期的に支える好材料となることは間違いありません。

3. インフラ効果の陰に潜む「光と影」

その一方で、大きな課題も浮き彫りになっています。

福山沼隈道路の終点側である沼隈町(常石:-3.50%、上山南:-1.50%)や、内海町(内海町字ロ:-3.70%、内ノ浦:-2.80%)では、依然として厳しい下落が続いています。

道路開通によるアクセス向上への期待よりも、人口減少や高齢化のペースが勝っており、道路ができることでかえって中心部へ人口や購買力が流出する「ストロー効果」を懸念する声すらあります。

インフラの進展が、皮肉にも地域間の格差を鮮明に浮き彫りにしています。

実勢データ(成約事例)から見る不動産取引のリアル

基準地価という公的な指標だけでなく、私たちが日々取り扱う「実際の売買データ」を見ると、現場ではさらにシビアな二極化が進んでいます。

  • 中心部・南部平坦地(新涯・沖野上・多治米・川口・西町など):
    坪単価30万円〜40万円台(商業地近接では50万円前後)の物件であっても、実需層からの引き合いが非常に強く、売り出しからわずか15日〜70日程度でスピード成約する事例が多数見られます。価格交渉もほとんど入らず、満額での成約が目立ちます。
  • 西部平坦地(松永駅周辺・今津・高西など):
    坪単価20万円〜25万円前後で着実に成約しており、中心部に比べて手頃な価格帯を求める子育て世代の受け皿として機能しています。
  • 郊外・市街化調整区域:
    坪単価数万円〜10万円前後の物件であっても、反響が極めて限定的です。成約までに300日〜1,000日以上(約1〜3年)を要する長期滞留事例が増加しており、最終的に数百万円単位の大幅な値下げを行ってようやく成約に至るという厳しいケースが散見されます。

建築資材の高騰によって「建物の建築費」が高止まりしている現在、マイホームを検討する買い手のエンド総予算(土地代+建物代+借入可能額)には明確な限界があります。

そのため、「予算をかけてでも資産価値と利便性が落ちない中心・南部平坦地を選ぶ」か、「建物の費用を確保するために郊外の格安な土地を選ぶ」かという二者択一が進み、中間的な郊外住宅地が最も苦戦を強いられる構図となっています。

まとめ:2026年秋以降の不動産売買に向けて

2026年の基準地価は、福山市の根強い産業力と利便地の実需を証明する一方で、「価格上昇のピークアウト(高原状態)」と「エリア選別の激化」という時代の曲がり角を明確に告げています。

この市場環境を踏まえ、売主様・買主様へのアドバイスをお伝えします。

【ご売却を検討されている皆様へ】

地価上昇の勢いが高値圏の「高原状態」にある現在は、まさに絶好の売り時であることに変わりはありません。

しかし、これまでのような「強気な価格設定でも時間が経てば追いついて売れる」という右肩上がりの相場は終わりを告げつつあります。

相場から乖離した高値設定をしてしまうと、買い手から早期に見限られ、長期間売れ残った末に大幅な値下げを強いられるリスクが高まります。

「今、市場で実際にいくらで動いているか」というリアルな実勢データを基に、最初から適正な価格設定を行うスピード感が、これからの売却成功の絶対条件です。

【ご購入を検討されている皆様へ】

住宅ローン金利の先高観や建築費の高止まりなど、購入のハードルを感じる場面もあるかもしれません。

しかし、需要が集中する人気エリアの優良な土地は、今後も大きく値崩れする可能性は低く、出た瞬間に買い手がつく状況が続いています。

大切なのは、単に土地の価格だけで判断するのではなく、将来のインフラ整備(福山道路など)や資産価値の維持しやすさ、そして建物代を含めた総返済計画を冷静に見極めることです。

条件に合致する物件が出た際に素早く決断できるよう、資金計画の事前準備を万全にしておきましょう。

 

福山市の不動産市場は、地域ごとの個性とインフラの進展によって、かつてないほど複雑で繊細な動きを見せています。

「所有している実家や土地の本当の価値を知りたい」

「今の相場で売却を進めるべきか、タイミングを相談したい」

そのようなお悩みがございましたら、ぜひ一度、当社の不動産査定・個別相談をご利用ください。

データと現場実務の両面から、お客様お一人おひとりのご事情に寄り添い、人間愛をもってお応えいたします。

皆様からのお問い合わせを、心よりお待ちしております。

顧客がAIを使う時代、不動産業の価値はどう変わるのか?~MMCサマーセミナー受講レポート~

こんにちは。

福山市の宅建マイスター、杉野です。

 

先日9月2日(水)、私が所属する宅建マイスターメンバーズクラブ主催のサマーセミナーをオンラインで受講いたしました。

 

今回のテーマは、「顧客がAIを使う時代、不動産業の価値はどう変わるのか ~実例に学ぶ宅建マイスターのAI突破法~」(講師:株式会社流導 代表取締役 木村圭志 氏)です。

 

ちょうど昨年の7月にも「生成AIが拓く、不動産流通事業の未来!」と題した講座に参加し、当ブログでもレポートさせていただきました。

当時は「制作コストがゼロになる」「業務の効率化」といった未来の技術に対する驚きと可能性が中心でしたが、それから約1年が経過した今、AIは「使わないシーンがない」ほど日常へ急速に浸透しています。

 

今回のセミナーで提示された問いは、不動産業者がAIを使うこと以上に、「お客様自身がAIを使いこなす時代に、私たち不動産会社や宅建マイスターの存在意義はどこにあるのか」という、極めて本質的なものでした。

 

現場で日々お客様と接する中で感じている実感も交えながら、今回のセミナーの学びと今後の取り組みについてお伝えいたします。

 

「AIでおすすめされたので問い合わせました」という新しい動き

最近、実際の現場でも「AIで調べたらおすすめされたので問い合わせました」というお声をいただく機会が増えてきました。

 

従来の物件探しや不動産売却といえば、ポータルサイトで条件を絞り込んだり、一括査定サイトに情報を入力したりして、各社からの連絡を待つスタイルが一般的でした。

しかし現在では、お客様ご自身が生成AIを活用し、来店や問い合わせの前にすでに相場や物件の絞り込み、専門知識の調査を終えているケースが増加しています。

 

セミナーの中で特に興味深かったのが、「AI検索は、大手資本の会社よりも、小規模で専門性や地域密着の情報を持つ会社を推薦しやすい傾向がある」という点です。

その背景には、お客様の検索行動の変化があります。 現在のお客様は、単に「福山 不動産 売却」といった大まかな単語ではなく、次のような具体的な文章でAIに相談されています。

 

「私は福山市○○町に相続した実家を持っています。県外に住んでいるため管理ができません。まだ名義も変わっていないのですが、どこに相談したらよいでしょうか?」

 

広く浅く定型的な情報を発信する大手企業よりも、個別の複雑な状況に寄り添える「地域密着の確かな知見」や「専門性」を明確に発信している会社ほど、AIのアルゴリズムにおいても高い精度でマッチングされ、選ばれやすくなっているのです。

「サービスの均質化」が進む中、人にしか語れない価値とは

AIの普及によって、物件の提案書や査定書、画像加工などは、誰でも瞬時に及第点(80点レベル)のものが作成できるようになりました。

 

しかし、これは裏を返せば、どの会社でも似たような提案書や綺麗な文章が作れる「サービスの均質化」が進んでいることを意味します。

AIが参照するデータやツールが同じであれば、出力される結果の差はお客様には見分けがつきません。

 

だからこそ問われるのが、AIには決して代替できない「人の価値」「人にしか語れない言葉」です。

 

セミナー講師の木村氏が強調されていたのは、以下の3つの要素(信頼の三角形)でした。

 

  • 正確なデータ(AIや客観的指標の活用)
  • 人の知見(現場で見て・聞いて・蓄積した一次情報や法的判断)
  • 共感(お客様の暮らしや想いに寄り添う対話)

 

どれだけAIの出力精度が上がっても、AIの答えはあくまで「たたき台」に過ぎません。

不動産の売買は、お客様の人生において非常に大きな決断です。

法的な根拠を確認し、最終的な責任を持って背中を後押しすること、複雑な利害関係を調整すること、そして何より「引き渡した後の暮らしの幸せ」まで一緒に想像して伴走することは、生身の人間にしかできません。

 

宅建マイスターとしての今後の取り組み

今回の学びを経て、私はAIを「最高のアシスタント」としてさらに深く実務へ組み込んでまいります。

  • 情報収集・分析の高度化:

地域の市場データや複雑な法規の調査・整理をAIにサポートさせ、より論理的でお客様にわかりやすい資料(図解や分かりやすい解説)を迅速に整えます。

  • お客様との対話と説明責任への集中:

調査や書類の下書きといったバックオフィス業務をAIに任せることで生まれた時間と余力を、お客様一人ひとりとじっくり向き合う時間へと充当します。

 

難解な不動産取引において、お客様が本当に納得して安心できるよう、専門家としてとことんお付き合いする。

その姿勢にこそ、宅建マイスターとしての真の付加価値があると確信しております。

 

テクノロジーの進化を味方につけながらも、最後にお届けするのは「人と人との温もりと責任」です。

福山市および近隣地域で不動産の売却や相続、購入をご検討の際は、どうぞ安心してご相談ください。

【マンションウォッチ】成約移動平均が示す「価格の底打ち」。9月以降の秋商戦に向けた戦略

朝夕の風に少しずつ秋の気配が感じられる季節となってまいりました。

 さて、毎月恒例の「福山マンションウォッチ」、今回は2026年8月度(9月1日集計)の最新市場データをお届けします。

 

春先から続いた在庫過多と激しい価格調整を経て、前月(7月)には月間30件もの掲載終了・成約による「滞留在庫の一掃」が行われました。

8月度は、新たに導入した長短期の「成約価格移動平均(12ヶ月/3ヶ月)」の分析から、約10ヶ月に及んだ下落トレンドについに「底打ち」のサインがはっきりと確認できました。

 

この底打ちの兆候を受けて、本格的な秋の需要期(9月〜11月)に向けて市場がどのように変化していくでしょうか。

詳細なデータをもとに徹底解説します。

 

1.【全体サマリー】2026年8月度の主要データ

まずは当事務所で毎月定点観測している全体推移データをご覧ください。

 

  • 平均在庫日数:308日📉(前月比-19日)
  • 70㎡換算 平均価格:2,178万円📈(前月比+1.84%)
  • 70㎡換算 中央価格:1,834万円📉(前月比-1.36%)
  • 流通物件件数(在庫):157件📈(前月比+5件)
  • 掲載終了件数(成約等):18件📉(前月比-12件)
  • 新規売出件数:22件📈(前月比+8件)
  • 平均 vs 中央 乖離幅:344万円📈(前月比+65万円)過去最大級
  • 70㎡換算 単月成約平均:1,996万円📈(前月比+251万円)
  • 成約12ヶ月移動平均:1,881万円 ➡(前月比±0万円)
  • 成約3ヶ月移動平均:1,876万円📈(前月比+54万円)
  • 価格改定件数:10件📉(前月比-4件)
  • 値下げ単価:98万円📉(前月比-41万円)

 

2. 成約移動平均の分析:見えてきた「成約価格の底打ち」

8月度から新たに取り入れた重要指標が、「成約価格の12ヶ月/3ヶ月移動平均」です。

 

単月の成約平均(70㎡換算)は、その月に高額物件が決まったか、割安な築古物件が多かったかによって数百万円単位で乱高下します(8月は高額物件の成約で1,996万円へ急上昇しました)。

 

この月ごとのブレを平滑化し、市場の実勢トレンドを浮き彫りにするのが移動平均線です。

 

【成約トレンドの推移(70㎡換算)】

  • 2025年10月:2,126万円(ピーク)

   │

   ▼(約10ヶ月にわたる長期下落局面)

  • 2026年 5月: 3ヶ月移動平均: 1,782万円(短期の底打ち)
  • 2026年 6月: 3ヶ月移動平均:1,800万円 ── 12ヶ月 1,891万円
  • 2026年 7月: 3ヶ月移動平均:1,822万円 ── 12ヶ月 1,881万円
  • 2026年 8月: 3ヶ月移動平均:1,876万円 ── 12ヶ月 1,881万円(横ばい・底打ち)

 

① 長期トレンド(12ヶ月移動平均):下げ止まりの「底打ち」

2025年10月の2,126万円をピークに下がり続けていた12ヶ月移動平均は、7月の1,881万円から8月も「1,881万円(前月比±0万円)」と完全に横ばいになりました。10ヶ月近く続いた下落トレンドがついにストップし、底を打った形です。

 

② 短期トレンド(3ヶ月移動平均):5月を底に3ヶ月連続の反発

一方、直近3ヶ月の動きを反映する短期ラインは、2026年5月の1,782万円を底に、6月(1,800万円)→ 7月(1,822万円)→ 8月(1,876万円)と反発を見せています。

 

長期ライン(1,881万円)と短期ライン(1,876万円)の差はわずか5万円にまで縮まり、まさに相場の反転シグナルを形成しつつあります。

 

③ 実勢価格帯の収斂(1,830万〜1,880万円)

現在、「売出中央価格(1,834万円)」と「成約3ヶ月移動平均(1,876万円)」、「成約12ヶ月移動平均(1,881万円)」の3つが、1,850万円前後の非常に狭いレンジに収斂しています。

 

これは、福山市における買い手と売り手の合意形成ラインが「1,850万円前後」にしっかりと固まり、相場の土台が形成されたことを証明しています。

3. 在庫日数は308日へ改善も、広がる「価格ギャップ344万円」

8月度のもう一つの大きな変化は、過去最長を記録していた平均在庫日数(327日)が、308日(前月比-19日)へと反転短縮した点です。

■ なぜ滞留日数が短縮したのか?

その立役者は、長期間動かなかった物件の売主様による「大幅な歩み寄り」です。

  • 販売期間542日の長期滞留物件(西部エリア)が、600万円の値下げによって成約。
  • 販売期間379日の築浅物件(中心部)が、3,500万円で決着。

 

1年以上滞留していた物件が成約したことに加え、これまで目詰まりが酷かった「築10〜15年未満」の在庫日数が414日→295日(-28.8%)へ、「築15〜20年未満」が335日→207日(-38.3%)へと大きく改善しました。

■ 警戒すべき「344万円の価格ギャップ」

ただし、手放しで市場回復と喜ぶことはできません。

8月度は、70㎡換算の「平均価格(2,178万円)」が上昇したのに対し、「中央価格(1,834万円)」は下落し、その差(ギャップ)は過去最大級の344万円にまで広がりました。

中央価格の下落は、実際の買い手が1,800万円前後の現実的な実需物件しか買っていない現実を示しています。

それにもかかわらず平均価格が上がっているのは、相場全体が上がったのではなく、「築5年未満(平均価格5,063万円/在庫22件)」といった超高額帯が売れ残って平均を吊り上げている構造的な歪みによるものです。

4. 価格改定の沈静化:嵐のあとの様子見ムード

6月(値下げ単価172万円)、7月(値下げ単価139万円)と続いた激しい損切りラッシュですが、8月度は価格改定件数が10件(改定率6.4%)、値下げ単価は98万円と大幅に沈静化しました。

お盆休みの時期特有の様子見姿勢に加え、「これ以上の値下げは避けたい」という売主様の心理的抵抗線が現れています。

春から夏にかけての価格競争が一服し、市場はいったん呼吸を整えた状態です。



5. まとめ:これから秋の市場に臨む戦略

2026年8月度は、これまでの長い下落トンネルを抜け、「実勢価格の底打ちと反発の兆候」が確認された月となりました。

  • 売主様へ:

市場のリアルな重心は「成約移動平均1,881万円/売出中央値1,834万円」にあります。秋の需要期はライバル物件も増えます。選ばれるためには、底値ライン(1,850万〜1,880万円)を意識した現実的な価格設定と、物件の強みを際立たせる露出戦略が必須です。

 

  • 買主様へ:

成約データが示す通り、実勢相場の底値圏が固まりつつあります。条件の良い適正価格物件は足が早くなる傾向があります。一方で、平均在庫日数が300日を超えている長期滞留物件に対しては、データに基づいた合理的な価格交渉が通りやすい状況が続いています。秋の新規物件と既存の滞留物件をじっくり見比べながら、賢い選択をしていきましょう。

 

秋の需要期に入り、市況が「反発・活性化」へ向かうのか、それとも「高額在庫の滞留による再度の膠着」へ向かうのか。

9月以降の動きを今後もどこよりも早くウォッチし、正確なデータとともにお届けしてまいります。

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